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凪誠太郎編2-2 ※手コキ、フェラ

 想悟は、誠太郎のわがままに付き合ってやる──いや、半分は自分の性欲処理の為に、スラックスをくつろげ、ペニスを取り出した。  今回は手始めに、司にもしてもらったように前戯から試してみることにしたのだ。  まだ洗っていないから想悟自身も抵抗がないとは言えないが、そんな理不尽な命令にもこの誠太郎がどう反応してくるかは知りたかった。 「わぁ」  自分にもついているものとはいえ、こんなにも近くで他の男の逸物を見たことはないだろう。  さすがの誠太郎もつぶらな瞳をまん丸くさせて驚いた。 「これに奉仕してほしいんだ」 「ほーし……?」 「手で扱いたり、口でしゃぶって気持ち良くしてくれ。それとも、やっぱりこういうことは嫌か? 嫌なら、無理強いはしない。ただ、金輪際お前とこうして一緒にいてやることはできなくなる、それだけだ」  距離を置くような発言に、誠太郎は泣きそうな顔になった。  想悟の脚にしがみついて、ぶんぶんと必死に首を横に振る。 「やだ、やだやだ! 僕やるよ! だからずっと一緒にいて!」  駄々をこねると、誠太郎は一片の躊躇も見せずにまだ萎えているペニスに顔を寄せた。  同性の性器に、それも性奴隷として奉仕をしろとありえない命令を下されたにも関わらず、嫌悪も屈辱もない。  ただ、自分とは違う男の化身を見て、不思議そうな表情だ。 「んにゅー…………えへへっ」  誠太郎は小さな手を伸ばして想悟のペニスを両手ですくった。  そのままじっと見回してみたり、優しく揉み込むようにして、感触を確かめたりしている。  子供のような笑い声まで漏らして、ずいぶんとご機嫌だ。 「なにがそんなに楽しいんだ?」 「わかんない。けど、せんせーといるとね、すっごくすっごく楽しいんだ!」  俺はお前のそういうところがわからない、と誠太郎に胸の内で愚痴ってみるが、身体は正直なのだから仕方ない。  誠太郎の細く柔らかい手に包み込まれて、竿がピクッと反応する。  あのクラブの良いように誠太郎と関係を持ってしまったことを痛感すると、急激に血が集まってきて、高まりは止まることを知らない。  ビクビク震えながら質量を増してくる肉の塊に、自身の若さが少しだけ憎くなった。  だんだんと想悟も快感のスイッチが入ってきた。じんわりと甘い感覚が込み上げてきて、誠太郎の頭を撫でる。 (わぁせんせーのおちんちんぴくってしてるよ! ほらまたぴくぴくって! かわいいなー!)  誠太郎からはとてもペニスを弄っているとは思えない、心底嬉しそうな声が聞こえてきた。  その小さな手に収まりきらないペニスを良い子良い子するように撫でさすって、根元からやわやわと扱いてくれる。  誠太郎は、信じられないほどに想悟を大切に扱ってくれていた。それは想悟への愛情と忠誠心からきているのだろう。  どうしてそこまで他人に尽くせるのだろうか。想悟には理解できそうにない。  それが嬉しいかとか、鬱陶しいかとか、そんなことよりもただ単純に不思議でたまらなかった。 「扱くだけじゃなくて、舐めろよ」 「うんわかった!」  誠太郎は元気良く返事をすると、亀頭にちゅっと軽くキスをして、何の抵抗もなく舌で舐め上げてくれる。  小さな舌がちろちろと敏感なくびれを往復し、時にはねっとりと押し付けるようにもしてくれて、心地よくなってきた。 「ちゅっ、じゅるぅっ……んぷふぅっ、せんせーこれなーにー? んれろっ……ちょっとしょっぱいの出てきたぁ……」 「我慢汁……じゃなくて、カウパー氏腺液って言った方が、お前にはわかりやすいのかな」 「うんっ、わかった……興奮してる時に出るんだよね……せんせー僕に舐められて気持ちいいんだ……んへへ……」  恥ずかしながらも、誠太郎に舐め上げられるたびに、想悟のカウパーはどんどん溢れてくる。  誠太郎は子猫がミルクを飲むみたいにぴちゃぴちゃと淫靡な水音を立ててその全てを舐め取ってくれようとするが、どうにも止まらなくて誠太郎の口元を汚してしまう。  唾液やカウパーでまみれて糸を引いている誠太郎の可愛らしい口を見たら、想悟も高まってくる。  我慢するつもりはなかったのだが、自然と息が荒くなり、ハァハァと悩ましく喘ぐ。  そんな想悟を見て、誠太郎も自分ではよくわかっていないのだろうが、性的興奮を感じているようだった。  こちらを見上げてくる瞳が細まり、熱っぽくなって、実に官能的だ。  舌を長く突き出して舐め回しながら笑うだなんて、AVなんかでしか見たことのない表情である。  自分のせいで誠太郎がこんなにもいやらしくなっているのだと思うと、想悟のものはズキンズキンと痛いほどに勃起した。 (わ、すごいなにこれ……! さっきより大きくなってるよ……!? 嬉しいな嬉しいなもっと気持ちよくなってねせんせー)  心でそう言うと、誠太郎はいきなりぱくっと咥えてきた。  想悟の逞しいものは誠太郎の小さな口には全ては入りきらず、半分もいかないくらいだ。  少し苦しそうに鼻を鳴らしながら想悟を見上げる誠太郎は、珍しく困り顔だ。  そんな彼の表情は、トレードマークである赤縁の眼鏡がより似合っていて、想悟の支配欲をそそった。

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