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凪誠太郎編3-1 ※初めて

 誠太郎と秘密の主従関係を持ってからというもの、誠太郎は当然とも言えるが、以前よりも想悟にべったりと懐くようになった。  未だペッティング程度で終わってはいるものの、誠太郎は自分でもいろいろと考え、研究でもするかのように、想悟がより快楽を感じられるよう愛撫してくれた。  わがままを言うことも多い誠太郎が、想悟が一声命令すると元気よく頷いて、いやらしい行為を受け入れてくれた。  誠太郎は健気だった。それも異常とも言えるほどに。想悟もまた、そんな素直な誠太郎で性欲処理をするたびに、得も言われぬ征服感を得た。  想悟の部屋で密会をすることも増えていた二人は、今日も夕食を摂ったのちに、誠太郎の方からおねだりをされるような形で行為に及ぼうとしていた。  今日の誠太郎は、いつにも増して興奮しているようだった。食欲と性欲は紙一重とは言うが、食欲の方が満たされた今は、よりいっそう男としての衝動が高まってきているらしい。  ぷにぷにと触り心地のよい頬をほんのりと赤く上気させて、とろんと溶けてしまいそうな大きな瞳が想悟を射抜く。  いつの間に染み付いたのか、妖しい色気を纏った教え子の姿に、想悟も胸の高鳴りを感じた。早くも若い逸物は勃起している。 「せんせーなんか今日ねおちんちんむずむずする」 「そんなに俺に会うのが楽しみだったのか?」 「うんもちろんせんせーと会うのはいつもすっごく楽しみなの! ねえねえ今日は何するのー?」 「……そうだな。今日は、そろそろアナルセックスに挑戦してみるか」 「わあぁ! ほんと!? 僕のお尻にせんせーのおちんちん入るんだ!」  遂にセックスをするのだとわかって、誠太郎はその場で小躍りしそうなくらいに喜びの声を上げた。  想悟がシャワーを浴びようとすると、誠太郎もついてきた。腕を組んですりすりと頬擦りをしてくる。 (せんせーとセックスするんだ! セックスって好き同士の人がするんだもんねやったぁ! 僕せんせーのこと大好きだもん! 痛いのはやだなぁでもせんせーならちょっと痛くても我慢できるよ僕えらいもん)  言葉の意味は理解しているが、具体的にどういう気持ちになるのかはわかっていないらしい。  その実は、想悟もわからなかった。想悟の初体験は、本当におぞましい経験だった。自らの意思に関係なく高められて、後輩の肉穴に受け入れさせられた。これからいざ挿入しようという時に萎えてしまわないか不安がないとは言えない。  けれど、たぶん大丈夫だろうな、とも想悟はぼんやり思った。  なにかのCMソングを軽やかに口ずさんでいる上機嫌の誠太郎を見やると、早くその可愛らしい笑みを歪ませてやりたくなる。この誠太郎が、辛くて、苦しい行為にさらされ、助けを求めてくる想像をすると、下半身は萎えるどころかどんどんみなぎってくる。 「せんせー?」  ぼんやりとうわの空の教師に向かって、誠太郎が不思議そうに声をかけた。 「なんだよ」 「んへへ。大好き」  その場で押し倒してやりたい衝動に駆られた。  一緒にシャワーを浴びた二人は、お互いにお互いの身を清めた。これから誠太郎のアナルをほじるとなると、やはり問題となるのは腹に溜まったものだ。  便を我慢して放出する屈辱的な様はきっと興奮する。けれど、いざ汚れを見ると今は冷めてしまうかもしれないと思い、洗うことにした。幸いにも来る前に出してきたという誠太郎は、シャワーヘッドを外して中を清めてやるだけとなった。  そういえばクラブでは浣腸ショーなどもあったな、と想悟は思い出して、やり方はイマイチだったのだが、見よう見真似でなんとか洗浄も終えた。  誠太郎はと言うと、愛する男の目の前で温水を腹に溜め込み、噴きこぼす羞恥心すらもやはりないらしかった。けれど、洗浄の過程で尻を触ってやると、ビクビクと震えて甘い喘ぎ声を上げた。  どうにも敏感なのか、想悟に触ってもらっていると考えると被虐的な感情が込み上げるのかは、誠太郎にも理解がしがたいのだろう。ただ、もっと触って、と言われたので、想悟は言われた通りに桃尻を揉み込み、時にはヒクヒク収縮する皺の周りも撫でてやった。  ひとしきり肛門への愛撫をしてやっていると、想悟もそろそろ我慢できなくなって、風呂場を出た。さっと互いに身体を拭いてから、この熱い想いが引いてしまわぬうちにベッドへと倒れ込む。  押し倒された誠太郎は、シャワーの時は外していた眼鏡を再び掛けて、想悟の股間をじぃっと見つめた。まじまじと視線を注がれると、想悟の方がなんだか気恥ずかしくなってくる。 「な、なんだよ」 「やっぱりせんせーのおちんちん大きいなぁ……って思って……」  勃起していても成人男性の標準値にもいかない誠太郎のものと比べると、想悟のそれはずいぶん違った。  皮は剥けていて、浮き出た太い血管は早く教え子のアナルに突っ込みたくて脈動している。雁高の先端からは漏れ出した先走りがヌメヌメと照り光っていて、誠太郎のものとは別の生き物のようだ。 (すごいなー……これ入るのかなぁ……裂けちゃわないかな……)  グロテスクにさえ見えるそれを誠太郎はどうしてこう自分とは違うのだろうと、好奇心満載らしい。それから、本当にこれを小さな身体で受け止められるのかという、一抹の不安。 「いつもウンコしてること考えたらこれくらい咥え込めるだろ」 「そっかそうだね! そういえばこの前すっごいぶっというんち出たよちょっと苦しかったけどすっきり気持ちよかったからおちんちんもそんな感じ?」  言い出しっぺとはいえ、誠太郎から返ってくるムードも何もない言葉に想悟はちょっと萎えそうになる。  人間が生まれて初めて知る快感は排泄とも言うし、世の中にはそれに性的興奮を覚えるマニアもいるくらいだから、あながち間違ってはいないが。 「……慣れればウンコより気持ちいいみたいだ」 「すごい!」  目を輝かせる誠太郎。自分で両足を抱え、股を開いて次の行為を急かしてくる。  思い切り開脚してその狭間を見せつけられて、想悟は再びその気になった。

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