80 / 186

凪誠太郎編3-2 ※初めて

 用意していたローションボトルを取り出すと、誠太郎の慎ましいアナルにたっぷりと垂らして、指で塗りつけていく。  これから自分を受け入れてくれるものだと思うと、そこすらも我が物になったような気分になって、前戯に熱がこもる。 「ぁっ……せん、せぇ……指でなでなでされるの、なんか変……くすぐったくて……せつないよぉ……」 「指、入れても平気か?」 「うんっ……」  了承を得て、慎重に未開発の肛門に人差し指を挿入する。せめて二本は入らないときついだろう。 (ふわあぁぁ……僕のお尻にせんせーの指入っちゃってる……なんだろう、これぇ……お尻がむずむずする……)  肛内に異物を受け入れ、困惑とも歓喜ともとれる感情が誠太郎に広がった。痛みはないようだが、どうしても異物感はあるだろう。  けれど、その異物感すら異様な熱に浮かされて、誠太郎自身も気付かない程度に小さく腰を揺らしている。ゆっくりと指を抜き差しし、時に中を掻き回すような想悟の指使いにも、誠太郎は小さく喘いだ。 「はふっ、はふぅんっ……せんせー……お尻気持ちよくなってきたかもぉ……早くセックスしたいよぉ……おちんちん入れてほしいよぉ……」  誠太郎も焦れてきているのだろうか、その吐息からは悩ましさを感じる。指を二本に増やしてみても、痛がるそぶりは見せない。  早く想悟と結合したくて、括約筋が弛緩していくのが想悟にもわかった。  十分に柔らかくなると、そろそろいけると思い、想悟は己の痛いくらいに張り詰めたペニスを、誠太郎の大きく開かれている会陰部から窄まった部分にかけて擦り付けた。ローションや先走りなどが混ざって、グチャグチャと卑猥な音がする。 「……入れるからな、誠太郎。ちゃんと息を吐いて、身体をリラックスさせるんだぞ」 「ふあぁ……はい……」  緊張する小柄な身を抱きすくめるようにして、いよいよ亀頭を押し付け、体重を掛ける。 「い、痛っ……! 大きいっ……せんせーの、すごく……大き、い、っ……!」  だが、許容外の質量のものを挿入されようとして、誠太郎の身は悲鳴を上げた。  頭ではすんなりと済むはずと考えていても、男女のそれとは勝手が違う。さすがの誠太郎も苦悶の表情を浮かべる。 「……今日はやめるか?」  言いながら、想悟は少し後悔した。  やめたくなんてない。この狭い穴に無理やりぶち込んだらどれほどたまらないだろう。しかし、ここで傷付いても後々困ることになる。 「ううんっ……! やめないで……! して……! 僕っ、せんせーのおちんちん入るように頑張る、からぁっ……! ふっ……んぐぬぬうううぅぅ……」  ここまで来てやめたくないのは、誠太郎も同じだった。変に意地を張って、排便をするようにいきみ始めた。  だがそのおかげで、想悟も焦りそうになっていた心に余裕ができた。少しでも楽に入るように、角度も変えてみる。 「ゆ、緩んだっ!? お尻緩んだかなぁっ!? これでせんせーのおちんちん入っ……あぐぅっ!?」  誠太郎が口を開いた瞬間、潤滑油の滑りもあいまって傘の部分がズブッと潜り込む。  それからは、少しはスムーズだった。彼の小さな身体が壊れてしまわぬように、一寸ずつ腰を進める。  女性器と違って腸は行き止まりがないとはいえ、誠太郎が苦しそうだったこともあり、全てを入れることはできなかった。 「はぐぅう……せ、せんせ、ぇ……お腹、が……せんせーでいっぱいぃぃ……」 (は、入った……! せんせーのぶっといおちんちん僕の中に入っちゃった……! ううっ、苦しい……けど……なんだろう、この気持ちぃ……すごいよせんせー……幸せ……)  たぶん予想以上に苦しいのだ。誠太郎は顔を歪めて悶絶している。  けれど、苦痛の一方で、愛する教師と一つになった多幸感も胸いっぱいに感じている。正に処女を喪失した乙女の悦びと似ているのかもしれない。誠太郎は生理的に浮かぶ涙で頬を濡らしながら、想悟を見上げた。  想悟の方も、壮絶な快感を堪えていた。こんなに小さな身体を己の息子で犯し、蹂躙しているのだと考えただけでも背筋がゾクゾクとする。  そして何より彼の肛内は温かく、本当は異物を吐き出そうとしているのだろうが、それがかえってもっとして欲しいとでも言っているかのように、ペニスを引き絞るような動きを見せる。耐えていなければこれだけで射精してしまいそうだ。  何もかも唐突だったから、司の時はとてもこんな気持ちにはなれなかった。誠太郎を肉体的にも自分のものにしたんだという征服感が込み上げた。

ともだちにシェアしよう!