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凪誠太郎編7-4 ※尿道責め、絞首、失禁
まだ学生とはいえ家族の影響でそれなりに医療知識のある誠太郎は、身体を傷付けられる想像だって人並み以上にしやすいはずだ。
──ああ、そうだ。俺はこういう顔の誠太郎が見たかったんだ。
さすがの誠太郎も嫌なものは嫌だろう。想悟の股間はもうパンパンに張り詰めている。
それなのに、本心は絶対に嫌なはずなのに、誠太郎は否定の言葉だけは全く口にしない。
(こっこわいこわい怖いけどせんせーのやることは全部正しいからきっとへいき)
真の愛……というより、ただの盲信。想悟を教祖のような特別な存在と崇め奉っていれば何も考えなくて済む、そんな様子だ。
「今の俺が怖いか?」
「…………ふぅっ、ぐすっ……こ、怖い……ですぅ……」
「ああそれで良い。いいか誠太郎。お前は俺が本当に好きだって言うんなら、怖いことも痛いことも嫌なことも全部受け入れて、耐えなきゃいけないんだ」
「う、ううっ……全部……?」
「そう。できるか? ……いや、できないなら今夜限りで奴隷契約は終わり」
「そんなのだめ!! 僕っ……せんせーと離れるのが一番嫌なの……だから……ひっぐ、我慢します……」
「ああ……それから、この部屋、あんまり壁厚くないから。もし大声でも上げようもんなら、さすがの俺でも手が出るかもな」
誠太郎は涙を流しながら、コクコク頷いた。
口約束とはいえ改めて性奴隷としての心構えを誓約させてから、続行する。
手を動かすたびに、誠太郎は時折身体を震わせている。大声を上げるなとも言われているので、必死に恐怖を我慢しているのか嗚咽混じりだ。とても快感なんて感じられるような状態ではない。
なら。
「なあ、誠太郎。お前は俺の何だ?」
「えっ……?」
唐突な質問に、誠太郎は面食らった顔をした。
想悟はまた、前みたいに誠太郎の細っこい首を絞めた。
「ひぎゃあぁぁっ……!! あぐっ……ぐ、ぐるじい……せん、せ……!」
想悟は何も答えない。力も一切緩めてやらない。ただ誠太郎の答えを待つ。
「……ぼ、ぼぐはぁっ……! せん、せーの……どれい……奴隷、ですっ……!!」
「そうだな。で? お前は、こんなことされてもまだ、俺が好きなのか?」
「…………っ、うん……すき……すきですっ……! 僕のこと、本当にちゃんと見てくれたのは……せんせー、だけだからっ……!」
「頭おかしいんじゃねぇの。死んだらかち割って中身調べてやろうか」
「は、はぁ……はーっ……ぐぇっ……い、いよ……僕……あたまっ、おかしいなら……ぜんぶ、せんせーのすきに、して……」
狂っていると思った。自分も誠太郎も。
でも、今の想悟は実に冷静だ。我ながらこんな冷徹な部分が顔を出すようになってきたなんて……そもそも存在したなんて、考えもしなかった。
一週間前は、自身の変化が怖かった。でも今は、それもまた自分の一部であるとすら思えてきている。
クラブで腑抜けたことを吐露したのは、決して誠太郎のせいじゃない。
誠太郎はただ、自分が鬼畜の所業を行える人間なのだとハッキリわかりつつある過程での最適な存在だった──それだけだ。
いつか蓮見が言った、「惚れて頭がおかしくなっている」だけとも……誠太郎の場合は、やはりなにか違う。そんな生優しい感情ではない。
想悟への愛が真実かどうか疑問を生じることもなく、ただ純粋に、信じている。それしか考えられない。
自分を酷い目に遭わせる人間だろうが、誠太郎自身が愛しているのだから、想悟のモラルなど一切考えることができない。はっきり言って、ストーカーの中でも異様な類いに近いような思考だ。
納得したように手を離してやると、誠太郎は激しく咳き込み、涙を浮かべながらこちらを見た。
(せん、せ……怒ってないかな……ぼ、僕、どうしたら……)
そうして顔色を伺っている。
ああ、大丈夫だ誠太郎。何も怒ってやった訳じゃない。むしろ、「誠太郎は肉体を傷付けられることに関して異常な恐怖を感じている」という収穫があって嬉しいくらいだ。
「ちゃんとわかってるみたいだな。良い子だ誠太郎」
褒めてやると、誠太郎はまたふにゃっと気の抜けるような笑顔を見せた。
怖くて泣いているのに。どうしてその恐怖を与える張本人に愛想を振り撒けるのか。やはり彼のことは理解しがたい。
そこまでして構ってもらえて嬉しいとでも感じるのだろうか。そんなことが……まさか、な。そうは思いつつも、誠太郎のことだから何もありえない話ではない。
なら、理不尽な虐待も受け入れられるよう洗脳できるか? そう、正にこの健気さはそのままに、だ。
再びの絞首から解放されて安堵したのか、身体の力が抜け、膀胱の緩んだ誠太郎の尿道からチョロチョロと尿が流れ出してきた。
「んっ……ふぁ、あぁ……」
人間が誰しも持つ排泄の快感は、初めての尿道責めをした誠太郎も気持ちいいらしかった。
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