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財前和真編3-3 ※フェラ、イラマ

 和真はこの現実を見ないようにでもしているのか、薄目になってチロチロと先端を舐めていた。  先走りが舌の上に乗るたびに吐きそうになりながらも、必死に舐めほじってくれる。  あまり味わいたくはないようで、涎は飲み込むことなくそのまま垂れ流しだ。  一心不乱にやっていてくれるおかげで、和真の頬はだんだんと上気してきた。  ぷっくりとルージュを塗っているかのように膨れて輝く唇が亀頭に吸い付くと、得も言われぬ高揚感にいつ果ててもおかしくはない感覚に陥りそうになる。  時折憎らしそうにこちらを見つめてくるその鋭い目が、かすかに潤んでいるのもたまらない。  想悟はそんな和真から目が離せなくなった。 「和真……お前って、改めて見ると綺麗な顔してるよな……」  甘い息を吐き出しながら続ける。 「このエロい唇は母親譲り……生意気な目は、プレイボーイの父親譲りってところか」 「げほっ……な、なにが言いひゃいっ……」 「別に。ただ……ノンケのイケメン、しかも自分の生徒を脅してフェラさせてるって思うと、やっぱり……興奮するからな……」 「っ……! 気色悪いこと言うんじゃねーよっ、この変態教師……っ!」 (……ああそうだ、本当に、親父とお袋似の俺が……この顔なら仕事にも女にも困らない人生のはずだったのに、なんで、こんなことに……)  初めての暴虐の際は想悟もいっぱいいっぱいだったので気付かなかったが、和真は元よりかなり気が強く、プライドの高い男のように思う。  そんな彼のプライドをズタズタに引き裂いてやろうと思うと、想悟は身体の芯から熱が込み上げてくるような錯覚を覚えた。  和真がみっともなく泣いてよがって、助けを求めてくる姿を想像するととんでもなく高まってしまう。  そういえば、司も環境のせいだろうか、ずいぶんプライドの高い男だったことを思い出す。歳よりもずっと大人びていて、想悟が不安に思うくらいに儚い少年だった彼。  もしかすると、和真も調教次第ではあのようなマゾ奴隷として堕とせるのではないだろうか。  薬物は使わないまでも、もっと素直に快楽を感じて、その心に隠されたものを引き出してくれるのではないか。  そういった意味でも、何故だか想悟は神嶽に負けたくないと思った。  そう簡単に人を信用しないように見えた司があんな風にどっぷりと心酔した彼はいったいどんな人間だったのだろう。  どのようにして司の頑なな心を解きほぐし、破壊していったのだろう。それが知りたい。  神嶽と同じ立場になれば、少しは彼の気持ちがわかるのではないか。  その為にも今はただ、財前和真という一人の少年を卑しい奴隷に変貌させたくなった。 「ごちゃごちゃ喋ってる暇があるなら、もっと恭しく奉仕をしたらどうなんだ。こんなことじゃいつまで経っても射精できそうにないし、終わらないぞ。それとも、ずっと味わっていたいって言うんなら、話は別だけどな」 「ふ、ふざけんなっ! 誰がそんなことっ! うぇっ……や、やればいいんだろぉ……?」  和真でなくとも、このような口淫を強要されるのは避けたい話である。  和真は嫌そうにギュッと眉根を寄せ、目の前の奉仕に集中しようとする。 「それじゃあ、もっとうまそうにやる演技でもできないのか? ほら、お前の好きな演技だよ、演技。得意だろ?」 「うるせぇっ! え、演技なんて……おぇっ……できる訳ないっ……」 「やれよ」 「うっ……うぅぅ~~っ……」  悔しそうに和真が見上げてくる。何より大切に思っている演技を引き合いに出された屈辱は計り知れない。  しかしそれでも早く終わってくれるならと、和真は思い切ってペニスを口一杯に含み、一生懸命に頭を振りたて始めた。 「ははは、やればできるじゃないかよ。どうだ、うまいか?」 「んうぅ……んむ……ゲホッ、うぐぅ……」  想悟の言う通りに演技に徹することにしたらしく、咳き込みながらも和真は首を縦に振る。  和真の口内にペニスが消えては現れしていると、ジュボジュボと派手な音が鳴っては和真の耳を無情にも犯していく。  それも和真は聞こえないふりをしながら、目を閉じて奉仕を続ける。 「うまいなら、美味しいですってちゃんと言わなくちゃわからないだろ。言葉に出して悦ばせるんだよ」  しばし想悟の煽るような言葉にも我慢していた和真だが、いよいよ堪忍袋の緒が切れたようだ。鬼のような剣幕で唾を吐きかけた。 「こっ、こんなのがうまい訳ねぇだろうがっ! さっきから馬鹿にすんのも大概にしろよ下衆野郎が!」  生意気な反応に、想悟も短気な悪い癖が出てしまうことになる。一度は大人しく言うことを聞いていたというのに、まだわからないというのか。  身体にわからせてやろうと、和真の髪を引っ掴んでその口に勃起を捩じり込み蓋をする。 「んがごっ!? おごっ、ぐふぉおおっ!?」  突如始まったイラマチオに和真は目を剥いた。  どうにか想悟を引き剥がそうと頭を揺すぶる和真を力任せに押さえ付け、その頭を無理やり前後させる。  ともすれば喉奥にまで亀頭が侵入しようとし、和真からは堪えようのない涙と鼻水が噴き出してくる。飲み込めない涎まで溢れさせて口元を汚し、和真の整った顔は汁まみれだ。  そんな風に強引に和真の表情を歪めていると思うだけでも興奮する。

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