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財前和真編4-1 ※羞恥

 和真の調教については、少し思い悩むところがあった。  あれからも和真を抱いてはいるし、フェラチオもさせている。しかしながら、まだ快感を得ているという訳ではなさそうなのだ。  思えば自身の射精を意識してばかりのやり方だったし、こちらのやり方が悪いんだろうということは薄々感付いた。  奴隷として一皮剝けさせるには、まずはセックスをつらく苦しいものと切り離さねばならないのかもしれない。  そこで悩んだ末に、想悟は鷲尾にこれからの方針を委ねることにした。  彼に借りを作ることは気が引けたのだが、鷲尾はどうにも奴隷の扱いに慣れているようであったし、下手に自己判断するよりはマシだと思えたのだ。  想悟が不本意ながらも相談してみると、鷲尾は快く引き受けてくれた。性格はともあれ、もしこれがおぞましいクラブなどではなく職場の先輩として出会っていたのなら、それなりに頼れただろう男である。  手始めに和真がプライドの高い生意気な少年であることを伝えると、「そういう輩には少しくらい恥ずかしい思いをさせておいた方が今後の調教にも役立つのです」とさも当然といった態度で言った。羞恥責めという訳だ。  半ばそれはお前の趣味なのではないか、と想悟は思ったが、和真が羞恥で顔面を目一杯に歪ませて睨んでくる姿を想像すると、それはそれは嗜虐心が高揚した。  鷲尾がクラブのショーに参加しているところも目にしたことはあるが、彼は本当に奴隷を人間とは思っていないかのような調子だった。それに妙に小慣れていて、見ている想悟も感心を覚えるほどだ。  そして言葉で責めている鷲尾には、なるほど、と思わざるを得なかった。  鷲尾が下す命令には緩急がある。想悟も鷲尾に対して信用したくなるような男という印象を持ったことがあるが、確かにそうやって言うことを聞きたくなるような感じなのだ。  あまり感情的になり過ぎず、言葉遣いに気を付けるだけでも十分に調教の成果が出るのかもしれない。  そう思い、想悟が次の調教場所に選んだのは普段から見慣れた二年D組の教室だった。  帰りのホームルームが終わり、さっさと教室を出て行こうとする和真を呼び止めて脅迫材料を持ち出し居残りをさせる。  クラスの生徒が和真を除いて全員教室から出たところで、ようやく想悟は口を開いた。 「和真。今日はここでお前を抱こうと思う」  興奮で声が上擦りそうになるのを抑え、単刀直入に言うと、不貞腐れたような顔をしていた和真が耳までカーッと真っ赤になった。 「なっ、なに言ってんだよあんた!? バッカじゃねーの! 変態だとは思ってたけどまさかそこまで……」 「俺がいつどこでお前を抱くかは俺の勝手だ。ほら、わかったらさっさと服を脱いで尻を向けろよ」 「で、でも……ここ教室だぞ!? 誰か来たらどうするんだよっ、あんただってそれは困るんじゃねーのかよ!?」 「そうだな、できればあんまり長居はしたくない。だから早く済ませよう」 「正気かよ……」  普段、授業を受けている教室で情事に及ぼうとする教師を信じられないといった目で見る和真。  常識なんざ糞食らえとでも言いそうな和真でも、公共の場でセックスをすることに関しては猛烈な羞恥を感じている。それだけでもここを選んだのは成果と言える。  和真の席は窓側から一列目の四番目。  そこなら教師からは見えづらいだろうと、和真はいつも授業そっちのけでよく携帯を弄ったりして遊んでいる。  教壇に立つ身としてはそんなところも丸見えなものだから、図々しい和真に何度もため息をついたものだ。  和真はおずおずと自分の机に手をつくと、尻をこちらに突き出すような形になった。  彼からすれば、これからまた犯されるのだとわかる屈辱的な格好だ。ギリギリと歯ぎしりが聴こえてきそうなくらいに唇を噛み締めている。  首を捻るようにして振り向いた想悟を見つめるその顔にも、何をされるかわからない焦りと不安が浮かんでいる。  想悟はそんな生徒の傍に近づいていき、服を脱がそうとベルトに手をかける。  すると、和真の身が強張った。また荒っぽいやり方で無理やり犯されるのだと思ったらしい。 「……そんなに緊張すんなよ。大人しくしてさえいれば、今日はお前が気持ち良くなれるように俺も頑張るから」 「なっ、なんだよそれ……っ」  想悟の意外な言葉に、和真は困惑気味だ。だが決して優しくする訳ではない。  これからの行為で和真が他の感覚を感じてきたなら、むしろただ暴力を振るうよりも激しく責めてやるのだ。苦痛よりもつらい快楽地獄に喘げばいい。 「うぅっ……マジでやんのかよ……ちくしょう……。は、早く終わらせろよな……」  和真も一定の覚悟は決めたのか、下を脱がせても震える声でそう悪態をつくのみだった。  鍛えられたしなやかなラインのヒップを教師の目の前にさらけ出している和真。  想悟はそれを両手で鷲掴みにし、肉つきや弾力を十分に堪能する。  狭間の皺までほぐすように優しく揉み込んでいくと、愛撫を耐える為か机に置かれた手が強く握り締められる。 (お、男のケツなんか揉んで何が楽しいんだよっ、この変態野郎っ……! クソ……でも今は我慢しないと……もし誰か来てこんな姿を見られたら、俺もう学園に居られねぇよっ……)  教室での調教は思いのほか効いているようで、和真はいささか大人しくしていた。これはこちらとしても好都合だった。  性急だった処女貫通式と比べれば、想悟はしつこいくらいに時間をかけてたっぷりと和真のアナルを嬲った。  すると、固く閉じていたそこがだんだんふっくらと綻んでいくのがわかった。  括約筋も所詮は筋肉だ、こうしてマッサージすれば柔軟性を持ってくれる。

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