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財前和真編4-3 ※羞恥

 味を占めた想悟は、嬉々として腰を振った。和真の中に芽生えたこの快感が薄れないうちに、しっかりと身体に覚えさせるのだ。  そしていずれは快楽には抗えない惨めな奴隷に変える。明確な目的が定まった気がした。 (なっ、何なんだよこれっ、こいつが動くたびに声、出そうになる……っ。ケツの中でチンコが擦れてっ変な気分になっちまうっ……!) 「ひあぅっ……ふっ、ぐっ、ぁ……くう……っ!」  想悟が動くたびに漏れる嬌声を、和真は必死に唇を噛み締めて耐えている。  蓋を開ければ、和真の身体は敏感だった。だが、ただでさえこのくらいの歳の男子というものは最も性欲が高ぶっている時期だ。  想悟だって和真と同い年の頃は、毎晩抜く勢いだったから気持ちはわからなくもない。  気分の良くなった想悟は、和真を快楽漬けにせんとリズミカルに腰を打ち付け続ける。  出し入れするたびに結合部からブチュグチュと漏れる水音、パンパンと肉のぶつかる音、それらを耐える机の軋む音、情事の証拠が静かな教室内に響き渡って和真の耳までも犯していく。 「っは……! や、め……っ……音……見、つ、かる……!」 「誰に」 「誰か、に……」 「和真が我慢してりゃ見つからねぇよ」 「で、でもやっぱり……!」 「うるさいな。そんなに人に見られたいのかよ」  すると次の瞬間、和真の肉襞がギュギュッと想悟のものを強く食い締める動きを見せてきた。 「うぉっ、おぉ……?」  急激な反応の変化に、想悟も声が漏れるのを堪えきれない。  なんだ、今のは? 人に見られたいのかと言った途端、明らかに和真の身が緊張した。  まさか──想悟は脳裏にある考えが浮かんだ。その確証を得る為に、さらなる責めに転ずる。 「そうか、さすが俳優の卵だけあるな。セックスしてるところを見られたいのか。それで興奮するんだな、お前」 「そっ、そんな訳ないだろ! 動くのっ……クソッ、やめろよ! ひ、人に見られるのだけは嫌だ……!」  和真が“見られる”ことを意識すればするほど、その体温が高まっていく。  汗がドッと滲み、瞳は困惑の色でいっぱいに染まる。 (お、俺が見られて興奮するって……!? なに馬鹿なこと言ってんだよ! この俺が……そ、そんな変態じみた趣味してる訳……)  やはり和真は人に見られると思うと性的興奮を覚えるマゾなのかもしれない。  これだけ混乱しているということは、少なくとも本人はまだ自分の性癖に気付いていないのだ。ならば利用しない手はない。  自尊心の高い和真には意外ではあるが、こちらからすると大きな収穫だ。 「だったらもう少し声を我慢しろよ。大きな声を上げた方が、よっぽど物好きが近寄ってくると思わないか?」 「それはっ……あんたが今すぐやめてくれれば済む話だろうがっ……ぐうぅっ」  喋っている途中でズドンと奥まで突いてやると、和真は慌てて奥歯を噛む。  忍耐強くはあるようで、想悟が腰を突き動かすたびに、苦しそうに喘ぎはするものの、叫ぶことはない。  弱い自分を隠していつも格好付けていた和真のことだ、官能に溺れ我を忘れて喘ぐなんて小っ恥ずかしい真似は御免だろう。  新たな和真の弱みを見つけた想悟は、徹底的に彼の羞恥心を辱めてやろうと思い立った。 「それに……廊下のことばっかり気にしてるけどな。窓の外、見てみろよ」  言われて、和真がハッと窓の外の校庭を見下ろす。放課後のそこでは、帰路についたり部活に向かう生徒がまばらに見られた。  友人らとふざけ合いながら、あるいは一人早歩きで、各々の行く先へ普段と変わらぬ調子で歩を進める生徒達は、この学園内で背徳の授業が行われていることなど微塵も気付いていない。 「もし、誰かが校舎を見上げたら……」  含みのある語調で言うと、和真の顔からみるみるうちに血の気が引いていく。 「……あ、あぁ……っ」 (み、見られる……担任とこんなことしてるのがばれる……今まで我慢してきたことも、全部無駄になる……っ)  そう、もしそんなことになれば和真は終わりだ。両親にだって迷惑がかかることになる。  だが、行為の露見を恐れる反面、和真の身体はどんどん熱を帯びていくのだから傑作だ。  しっとりと汗が滲んだ彼の身体は、凌辱されている哀れな生贄ならではの色気を醸し出す。  和真が普段からつけているブランドものの香水と思春期の男子の体臭が混ざり合って、得も言われぬ官能的な匂いが想悟の鼻腔をくすぐる。 

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