136 / 186
財前和真編7-3 ※浣腸、大スカ
和真をトイレへ連れ込むと、下着ごと尻を露出させる。早速犯されるのかと身震いした和真だったが、今回の目的はそうではない。
市販の浣腸液を和真に見せる。何に使うか、ピンときていないらしい。
が、ノズルをアナルにあてがうと、何か肛門を弄ぶものと知って暴れそうになった。
「暴れるな。こぼれちまうだろうが」
尻たぶを強く掴み、中身を和真の腸内へと潜り込ませる。
「な……何やってんだよっ! 冷てっ……うあぁっ!」
それを二回ほど繰り返した。
さすがに何もなしではすぐ漏らしてしまうかもしれないので、最後にアナルプラグを突き刺した。
和真がどこまで我慢できるか、そんなシンプルな勝負だ。
「あぐぐぐぐ……」
(こっ、こいつ、何がしてぇんだ……? これってアレだよな、浣腸……変なものも入ってるし……あぁっ嘘だろ……じ、冗談じゃねぇぞっ)
浣腸が終わって、想悟は和真の前を律儀に直してやった。
そうして、まるで今の行為などなかったかのように、涼しい顔でトイレを出た。
「えっ、ちょ、どこへ行く気なんだよ」
「どこって、校内の巡回かな。戸締りもするから、お前も付き合えよ」
「はあぁ!? ひ、人をこんな状態にしておいてよくもそんなこと言え……」
「ちゃんと最後まで我慢できたら、便所で用を足させてやる」
「う……」
そう言われてしまっては、和真はなす術はない。
プラグが挿入されているとはいえ、今だって和真の腸内は浣腸液を注入され、用を足したくて激しく暴れ回っているのだ。いつ決壊してもおかしくはない。
颯爽と歩く想悟の後ろをゆっくりとしたペースで追いかける和真。
すぐそこまで来ている便意は、少しでも変な動きをしては一瞬で崩壊してしまうだろう。
夏服の時期だと言うのに和真の顔色は悪く、冷や汗が止まらない。
「おやおや、霧島先生に財前くん。まだ帰っていなかったのかい?」
和真が小さく唸り、顔を強張らせる。
今のこの状況では和真にとって最も出会いたくはなかった人物とも言えよう。
声だけでも誰かわかってしまう下卑た世良は、一度呼び止められたが最後、いちいち話が長くなりがちだからだ。
けれど想悟にとっては和真を辱める為の道具にしか過ぎなかった。
普段は話しかけられても無視するかほとんど強行突破するくらいに嫌いな世良だが、あえて彼の話に乗ってやることにする。
「ええ。先日の抜き打ち小テストについて、彼と話していましてね」
「ほう、それは結構」
「なっ……あんた、なに考えてやがんだっ!?」
「……別に、俺は学園長と雑談してるだけだけど」
和真は慌てた様子で、しかし想悟にしか聞こえないくらいの小声でそう言ってくるが、言葉の通りだ。
想悟は偶然に出会った世良と話をしているだけ。校内では当たり前の光景だ。
「そういえば、僕も学生時代は抜き打ちテスト、と言うとずいぶん苦手だったねぇ。何もしていないようで、周りはしっかり勉強しているものだから」
世良は焦る和真のことなど全く気付かない様子で、遠き思い出を語り始める。
「学園長先生はそれでもトップクラスだったとお聞きしますが……?」
「いやなに、運が良かっただけだよ。たまたま勉強したところが全部出たんだ。今と昔じゃあ教科書もずいぶんと変わったし、また勉強し直さなくてはね」
「確かに、その知識欲は、教師にとっても大切なことですね。……学園長先生からも財前に言ってやってください、こいつは小テストもほぼ赤点レベルでして……」
「ははぁ。それはいかんなぁ」
話の矛先が和真に移り、和真はまたチラリと助けを乞うように想悟を見る。しかし想悟は世良の顔しか見ていない。
「担任の手を煩わせて」といったような白々しい世良の眼光が和真を痛いくらいに射抜く。
「う……うる、せぇな。俺は、俺なりにやった結果なんだよ……得意不得意があるなら、俺は勉強っつーのが、そもそも不得意で……だから……その……」
一刻も早くこの場から去りたくて、自分でも何を言っているかわからなくなっている。
その次の瞬間、ぐるっと和真の腹が鳴った。
「あ、ぁ、う」
下腹の苦しみに大粒の汗が吹き出し、唸りが漏れる。
いったんは弱まったと思った浣腸の効果が再び表れてきたのだ。
「おや? 財前くん、どうしたのかね? 具合が悪いのか?」
「い、いや……何でも、ない」
「そうかい? けど、具合が悪いならまずは保健室に行った方がいいと思うが……」
和真からすると本当に余計なお世話で、世良は和真の腕を取って保健室へ誘おうとする。
が、それを和真は振り払った。その動作が、さらに和真を苦しめることになる。
「う、うぐ……がッ……ぁ……へーき……だから……」
(ま、待て……待て待て待てっ……これ、マジヤバ……我慢、できな……でも……人前で、それも想悟と学園長の前でこんな……)
眉をひそめ、腹に手をやって身体をくの字に曲げつつ精一杯に強がってみせる和真。肛門括約筋も必死に締めていることだろう。
「うーむ……やはり腹痛のようだね。大事にならない内に、病院に連れて行ってもらおう? ねえ、霧島先生」
「そうですね……財前、どうする?」
想悟の手が和真の肩に触れる。
(無、理ッ……もう……無理だってぇ……人前で……漏らすうぅぅぅぅ……)
「う、ぁ、はぁ……ッ!」
そこが、和真の限界だった。
ともだちにシェアしよう!