145 / 186
財前和真編9-3 ※女装、散歩、野外
「うん……そうだな。『外でオナニーして射精するような露出狂の変態でごめんなさい、どうかこの悪い子を躾けてください』って言えたら俺も手伝ってやるよ」
「っな、誰がそんなこと」
「別に言いたくないならいいぞ。俺は車に戻って帰る。お前の欲も満たされない」
「え、ちょっ……俺を、このまんまの格好で置いてく気かよっ!?」
「そりゃあ……俺はお前を送ってく義務はないし」
俺は、であって、もしそんなことになったら鷲尾らスタッフが対応するだろうが、和真は彼らの仕事の範囲などわからない。認めたくなくても、想悟しか頼れる人間がいない。
そう長くはない思考の末、か細い声を紡ぎ出す。
「そっ……外、で……」
その言葉の続きがどんなものになるのか期待して待った。
「外でオナニーして射精するような……変、態でッ……すいませ……悪い子でぇっ……ごめんなさいっ……。しつけ、あの……お願い、しますっ……」
仮にも格式ある明皇学園の生徒とは思えない、淫猥な台詞。
半ば涙声で辿々しくはあるが、かえって征服欲がいっぱいになって心地良かった。
「馬鹿みたいな格好で屈辱的な台詞吐いて、本当にお前って……どうしようもない奴だな。よく生きてられるよ」
「ひ、でぇ……そんな言い方……俺だって、嫌に決まってるだろぉ……」
(ホントに……恥ずかしすぎて死んじまいたいくらいだ……でも……でもっ……)
和真はよろよろと身を起こし、想悟の脚にしがみ付いた。
私服のジーンズに爪を立ててくる。見上げてくる瞳がすっかり劣情に溶けている。
「あぁあっ、もう、駄目だ……俺……オナニーだけじゃ、満足できない……でもあんたは、そういう気はないんだよな……? だから、俺に、その……」
(頼んでしてもらえる保証はないけど……でも、やっぱり顔も知らない奴に抱かれるよりは……)
「……? なんだ……? 要するに、お前……俺にケツを犯して欲しいって?」
想悟自身もまさかな、と思った言葉に、和真は小さく頷いた。
「ぶっ……はは! お前っ……その方がよっぽど人に見つかる危険があるぞ。それでも良いのか?」
「だ、って……俺、もう……」
困り顔で和真が見下ろした先には、刺激していないにも関わらず、いつの間にか高くそびえ立った怒張が弾けんばかりに反って揺れていた。
公共の場で、命令されて自慰行為をして、動物のような真似をして、なお。このような反応をしてしまうなんて。
哀れに思った想悟は、その若く我慢汁を垂れ流す逸物をスニーカーでぐりっと踏み付けた。
「ひぐゥうううッ!? あ、が、かはっ……んはあぁっ……」
「……お前マジで変態かよ」
イッてはいないが寸前で耐えたという感じだ。痛みよりも、いいや、痛みさえ今の和真には強烈なのかもしれない。
胸に渦巻くこの感情は何だろう。
呆れ、失望、それとも、和真の淫乱ぶりをあまり喜べない自分が情けないのか。
「まあいいか。言い付け通りよく頑張ったし、言えたしな」
「う、うん……」
ぽんと頭を撫でてやる。
和真は伏目がちで、諦めたような顔をしている。もう大人しく従う段階だと踏んだ。
彼を立ち上がらせて腕を掴むと、公衆トイレに連れて行った。
和真としては外の方が興奮するだろうが、想悟が少しでも声を出しても良いようにだ。
インカムは……まあ、念には念を入れて外さない方がいいか。鷲尾に丸聴こえなのも会員らの前で輪姦するのも今さら大して変わらない。
和真は便座に手をついて、尻を突き出した。和真のほどよく鍛えられた双臀には、不釣り合いのひらひらのレース。
だが、想悟はそういった女性らしいものについて興味はない。女装をしている人間とも行為に及んだことはない。
「想悟……?」
(あ……。……やっぱり……駄目……?)
そんな捨てられた小動物みたいな目でいちいち見てくるな、ややこしい。
想悟はなんだか男を見せねばいけない気になった。
ここまで誘われて抱かないのも、どうか。
自分一人では熱を収められそうにない和真にとっても、可哀想なんじゃないか? じゃあ俺が協力してやらないと。
そんな風に自分勝手に思って、まだ勃っていないペニスをズボンから取り出した。
和真の手でされるのは今は嫌だったので、自分でなんとか挿入可能になるまで扱いていく。和真はそれを、待ち侘びるかのように唾を飲み込んで見つめていた。
パンティーをぐいと横にずらして、行き着いた皺に勃起を押し付ける。腰を捻じ込んでいくと、和真はそれだけで熱く長いため息を吐き出した。
そういえば、まだこっちは責めてやっていない。
胸板を揉みしだく。結構パッドがデカいな。これで寄せて上げれば乳の大きさを盛れる訳だ。
と、かなり鍛えている男ならともかく、和真はスリムな方だ。
虚無を揉んでいることになるから、和真はくすぐったそうに、あるいは不満そうに肢体を揺すった。
わかったわかったと言わんばかりに、ブラを上にずらして、明らかに硬くなった乳首を指の腹で捏ね回す。
「ひッ、ぅ──はあぁっ……」
それだけなのにも関わらず、和真は甘い声で鳴いた。
「ここ、そんなに好きだったっけ? 感度が良いもんだな、今日は」
(だってこんなの、女みたいな扱い、じゃんか……)
ああ、そういう感覚なのか。
何度抱かれていても、女性扱いは受けたくない、むしろ俺は女にモテるタイプなんだぞ……なんて反抗心みたいなものはあるのか。
そうだな、その歳でオナホで実在だか架空だかの女を思い浮かべて抜く男だもんな、お前は。
つい思い出して小さく笑う。
ともだちにシェアしよう!