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財前和真編11-4 ※想悟×新堂、無理やり

「おい、こいつをこの場に押さえ付けろ」  そう命令すると、黒服達が一斉に新堂の四肢を強い力で押さえ込む。  最後の思い出として、初恋の人物をこの身体に刻み込んでおきたい。  そんな自分勝手な欲望が、下半身をはち切れんばかりに膨らませた。  こんな状況で新堂に興奮するなんて、自分はやっぱり男なのだな。それも異常性癖の類いではないのか。  想悟は自嘲の笑みをこぼした。  傍らで見ている鷲尾も、何も言わなかった。それはつまり、これから想悟がしようとしていることについて、好きにしても良いということだ。  強引に服を剥ぎ散らかし、自分も下半身をくつろげる。  想悟が性暴力の加害者である事実を知った今、新堂も何が起こるのかを悟り、顔を引きつらせた。 「何をするっ!? 霧島、ま、まさか……」  そして、慕っていた元担任の肉穴に勃起をあてがうと、ゆっくり腰を進ませていった。 「ぐぁ、ア、アァッ……!」  当然新堂の処女アナルはギチギチにきつくて、想悟のペニスを強く食い締めてくる。  貫かれる新堂の肌に汗が滲み、身体がブルブルと小刻みに震える。  年上のエリート上司でも、今まで経験したことのない苦痛には耐性など皆無だ。  想悟が腰を押し進める度に、苦しそうな呻き声を喉の奥から絞り出した。 「ふッ……あ、ァア……霧島……いったい、どうして、こんなことをするッ……!?」  俺だって本当は避けたかった。  その言葉を飲み込んで、ボロが出ぬよう無言で腰を振る。  このまま新堂を蹂躙し、徹底的に犯せば、長年の気持ちにも整理がつくだろう。素直に別れられるだろう。だから耳を貸すな。 「っひゅ……ぅ、ア……ぐ、くくぅ……はぁっ」 (何故、私がこんな目に……財前の相談に耳を貸さなければ良かったのか? だがそんなことできる訳がない! それは霧島だって同じ立場ならきっと同じことをしたはずじゃないか! それなのに……生徒も……私のような教職員ですら手にかけるなんて……)  想悟への深い深い失望。  学生時代から、常にかっちりとスーツを着込んでいる印象しかない新堂が文字通り丸裸になっている様は、瞬時に理性を飛ばした。  すごい。俺が、あの新堂を組み敷いている。無理やり犯している。  結合部分をじっと見つめるが、熱く混じり合う腸内の感触とは裏腹に、皮膚だか内壁だかが傷付いたのかかすかに流血が見られた。  やがてさすがの新堂も涙を滲ませた。自らの凌辱が彼を無残に苦しめているのだ。  そう思うのもつかの間、 「すまない……綾乃……すまないっ……」 (私としたことが今夜は帰れないかもしれないと連絡してしまった……ちゃんとご飯を食べられるだろうか、眠れるだろうか、あの子のことだから、私が帰るまでと無理をしてしまいそうだ……)  新堂は苦痛よりむしろ、別れを言えないまま、こんな目に遭っている背徳感、何よりも父親を失くす娘を気遣っていた。  第一子で、子育てにも苦労しただろう。シングルファーザーになってからは特に、実子であっても異性である以上、どう接するべきか困ったこともあっただろう。  顔立ちだって別れた妻に似た凛としたお嬢様で、本当に可愛いよな。目に入れても痛くないとか聞くよな。  でも。 「……わからない」  想悟はぽつりと呟く。 「くそっ……! わからないっ……! 大して好きでもない女を抱いてできた子供なのにっ、どうしてそこまで愛せるんだっ!」 「……そんなこと、お前も、子供ができればわかる……っ」 「ならいらない! 俺は……俺なんかの遺伝子を継ぐ子供なんて……不幸にさせるだけだ……!」  もう二度と同じ想いを誰かにさせてたまるか。それが肉親だと言うのならなおさら。  こんな呪われた因果は、自分の代で断ち切るべきだ。  けれど想悟の胸の内など知らぬ新堂にとっては、所詮は社会経験の浅い若者の戯言としか捉えることができないだろう。  半ば呆れているような、諦めているような、哀れみすら感じられる視線が想悟に注がれる。  つらかった。新堂の前でだけは醜い正体を隠して良い教え子のままでいたかった。  だけどやっぱり……嘘なんて一生隠し通せやしないんだ。いつかこんな日が来る……のは、世の常か。  でも、仮に優しい新堂が俺を受け入れてくれたとして、ずっと大切に愛せたと誓えるのか? 今となってはわからない。  やはりそのうち加虐願望の方が勝って、彼に酷い仕打ちをするようになったかもしれない。  それなら……こんな初恋、実らなくて正解だ。綾乃にももしかしたら、危害が及んでいたかもしれない。  何も知らない綾乃に罪は一切ない。そのくらいの良心はまだ残ってる。  だから……新堂だけに、犠牲になってもらうしか方法がない。

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