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ユキトはギクリとした。
オカマ野郎はこっちを見ている。
―バレていたのか?完全に気配は消してたのに。
「出てこないつもり?今更逃げる事なんて出来ないわよ?」
やはりバレているようだ。
―こうなったら殺るしかない。
ユキトは、2つの銃を取り出し、勢い良く飛び出した。
マスクの男達がマシンガンを構え、乱射してきたが、それらの銃弾を交わすことは容易だった。
「数打ちゃ当たるってもんじゃない。銃はこうやって使うんだ」
ユキトは静かにそう言うと、2つの銃を交互に連発し、正確に、かつ確実にマスクの男達を倒していった。
ふと、オカマ野郎がいないことに気づいた。
「いい腕だけど、注意が足りないわね、坊や」
背後から声が聞こえ、慌てて銃を向けるが、その前に腹に重い衝撃が走った。
「…ッくあ」
身体が吹っ飛んでから、オカマ野郎に蹴り飛ばされたのだと気付いた。
コンテナに背中をぶつけ悶絶した。
―なんだ、この力…。こんな奴いるのか。
スザクが言っていた「手練」というキーワードを思い出す。
立ち上がろうとしたが、足がもつれ、ユキトはそのまま意識を失った。
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