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「2回もイっちゃったわねぇ。さて、次はどう虐めてあげようかしら」 ベスは興奮しながら次の行動に移ろうとしたが、身体に痺れを感じ、動きを止めた。 「…なに?っく、身体が痺れるわ…」 「…はぁっ、や、やっと効いてきたみたいだな」 ユキトが肩で息をしながら言った。 「ど、どういうこと?」 「最初に切り付けたナイフ、あれは毒入りだ。ようやく毒が全身に回ったようだ」 「なに…、ぐぁぁっ」 ベスは身体を内部から襲う痛みに膝をついた。 「俺の拘束を外せ。そしたら解毒剤をやる。でなきゃ、大人しく死ぬ事になる」 「ぐ、クソガキめ…」 ベスは痛みに耐えられず、震える手で渋々ユキトの拘束を外した。 ユキトは自分についたローターを外し、脱がされていた服を着た。 そして、うずくまっているベスを蹴り飛ばした。 「ぐぁっ」 「本当は殺してやりたいが、俺は任務以外で殺しはしない。これが解毒剤だ。」 小瓶を取り出しベスに投げ渡した。 「はぁっ、あ、甘いのね…?アタシを殺さないと後悔…するわよ」 「正式に指令が出れば殺してやる。それにこの毒は強力だ。解毒剤を使っても数日はまともに動けない筈だ。」 ユキトは、ベスを残して窓から外に出ようとしたが、ふと思い出したように言った。 「あと…っ、さっきの俺の姿は忘れろ…!誰にも言うなよ…!いいなっ!」 少し顔を赤らめてそう言うと、ユキトはその場を去った。

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