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「初めてユキトに会ったときのことをよく覚えているよ」 スザクは言った。 「そうなのか?」 「あぁ。ユキトが13歳くらいの時か。子供とは思えない鋭い目つきをしていたよ。まるで存在するもの全てを敵だと思っているような、尖った眼差しだった」      「覚えていないな…」 「私は忘れられないよ。あの時のユキトの眼差しをね。でも、ユキト、私は君にこの仕事を続けて欲しいとは思っていないんだ」 「え…?」 思いも寄らないスザクの言葉に、ユキトは呆然とした。 「仕事の指示を出している私がこんな事を言うのは矛盾していると思う。だが、ユキト。君は本当は優しい子だ。裏社会に染まってはいけない。だからこそ、学校にも通わせている。いつか普通の生活を送ってほしいんだ」 「勝手なこと言うなよ!」 ユキトは、大きな声を出した。 周りの客が注目したのに気付き、慌てて声を潜める。 「スザクさん、さっきも言っただろ?俺はこの生き方しか知らない。もう普通の生活なんて出来ないんだ」 ユキトは小さく言った。 暫し沈黙が訪れ、ユキトは耐えられずトイレに立った。

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