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ようやく唇を離した二人は無言のまま見つめ合う。
「ユキト、好きだよ」
「スザクさん…」
「何度でも言うよ、ユキト。君の側に居て、君の事を守りたい」
シャワーの音が響く浴室内にスザクの静かな声が通る。
「スザクさん、俺は守られるほど弱くない」
ユキトの強気な目を見てスザクはフッと笑う。
「ユキト、こういう時は弱さを見せて欲しいものなんだよ?」
常に暗殺者として強さを求められてきたユキトにはスザクの言葉はイマイチ響かなかったようで、小首を傾げていた。
「まぁ、そういうところも含めて私はユキトの事が好きだけどね」
スザクはユキトを強く抱きしめた。
「わ…、スザクさん…!?」
触れ合う肌の温もり、スザクの鍛え抜かれた筋肉を肌に感じて、ユキトはまた頰を赤らめる。
「愛おしくてたまらないよ、ユキト」
スザクはぎゅっと強く強くユキトを抱きしめる。
「…もう離さないで…スザクさん…」
そう呟いたユキトの声はシャワーの音にかき消されるほど小さかった。
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