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【15】これからも、ずっと……⑤

「結婚式は二人の顔をデザインした四角いケーキを作りたい」 「も……恥ずかしいです」 「これからも陽向としたいことがたくさんある」  周防の膝の上で甘い会話を続ける。キスしながら周防の髪に触れた。  周防の強さを知る。  周防は思ったことを必ず実現させる力を持っている。途中で諦めたり、突然興味を失くしたり、できないことを誰かのせいにしたりもしない。全て自分の力と努力で叶えていく。陽向はコンサルタントらしい周防の実行力と問題解決能力を心の底から尊敬していた。 「周防さんといたら、全部の夢が叶いそうな気がする……」 「俺はピヨたんを幸せにするために、これからも努力を続けるぞ。そのためにいるんだからな」  膝の上で口づけられながら優しく服を脱がされる。陽向も同じように周防の服を脱がせた。  他人に脱がされるのは恥ずかしいのに、周防にされると幼い子どもになった気分で、なんだか甘くてくすぐったい。脱がされているこの瞬間も、ほわほわした幸せを感じる。  裸にされて、キスされて、背骨を真っすぐ辿るように撫でられた。耳元で「抱っこしたまましたい」と言われて心臓が跳ね上がる。 「俺の膝の上で感じている陽向を見たい」 「周防さん……優しいのにエロい」 「陽向もだ」  周防は体位の中で座位が一番好きなようだ。  顔が見えて、声が聞けて、体が密着しているのがいいらしい。あまり激しく動けないのも好みのようだ。陽向の重みがただ愛おしいと言う。  確かに相手の顔を見て、お互いの吐息や匂いを感じながらするセックスが一番気持ちいい。キスも視線にも感じ、動かなくても周防が入っているだけで興奮する。 「少し腰を上げられるか?」 「ん」  周防が双丘の間に手を伸ばしてくる。顔を見ながらそこを広げられ、これまで何度もそんなことをしているのに、心臓がトクトクと音を立てる。  周防の目が優しい。恥ずかしいのに感じてしまう。期待と興奮で自分の中心がきゅっと芯を作った。 「痛い?」  訊かれて首を左右に振る。  卑猥な音を聞きながら、周防の長い指を受け入れる。擦られている場所から熱が生まれて、頭の後ろがぼうっとなる。そのまま周防の首にしがみついた。 「あ……」 「気持ちいい?」 「……ん。周防さんがすること……全部、気持ちいい」 「可愛いな……」  全部好きで、全部欲しい。  周防がくれるものは、何もかもが宝物で甘い快楽になる。 「あっ……」  溶かされたところが痺れて、きゅんきゅん疼く。周防が欲しくなって、中心が痛いくらいに硬く勃起した。 「ああ、陽向の顔が……」 「うっ……んっ……」  体温が上がって、呼吸も速くなる。周防に促されて腰を上げた。 「自分で挿れられるか?」 「周防さん、手伝って」  周防の首にしがみつきながら、浮かせた腰を挿れやすい位置まで移動させる。周防の手で下から狙われて、的確な場所にあてがわれた。 「ゆっくりでいい」 「あ……うん……あっ、ああっ――」  恐る恐る腰を沈める。  体を開かれて、内側から犯される。  そこを支えにして、周防の肉を全て飲み込んだ。  ――ああ……もう。  気持ちいい。体が溶けそうだ。 「……キスして下さい」 「おいで」  陽向がキスをねだると、周防が応えてくれる。挿入のわずかな苦痛を散らすようにキスに没頭した。  キスが美味しい。濡れた舌がぴたりと合わさって興奮が募る。  キスだけじゃない。  セックスが好きになったのは周防が優しいから。  どんな行為の中にも愛情を感じる。お互いの欲望を押し付け合うような繋がりではなく、ひたすら思いやって感じあう行為。そんな優しくて甘い重なりを周防が教えてくれた。  揺れて揺らされて、二人でしか行けない場所へ行く。

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