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【番外編】スケルトン・ラブ……⑪

「あっ……いい」 「感じる?」 「周防さんが気持ちよくて――」  知らなかった自分を知る。周防を欲しいと思ってしまう。 「んっ……もう」 「もう?」 「あっ……は、うんっ……」 (陽向が欲しがってる) (俺を――欲しがってる) 「このまま膝の上で挿れてもいいか?」 「や、うんっ……」  後ろから抱かれたまま膝の裏側を持たれる。体をわずかに傾けられ、その姿を鏡に映された。  羞恥で喉が干上がる。 「大丈夫。可愛い」 「や――」 (興奮で胸が痛い) (挿れたい……)  周防のペニスが下から狙いを定めてくる。ヒクヒクしている場所に熱く口づけたかと思うと、ぐっと潜り込んできた。 「や、んあっ……ああっ――!」 「陽向……」  あられもない姿で周防を飲み込む。羞恥から逃れようと腰を動かすと、余計に食い込んで逃げられなくなった。  恥ずかしくて苦しいのに、そこが溶けそうになる。  熱くて、気持ちいい。 (ああ、陽向が感じてる……) (気持ちいいんだ) 「ん、あっ……」  不安定な上半身を支えるために背筋を反らしながら周防の首につかまる。  ――ああ、もう。  目を閉じていてもこの姿の卑猥さが分かる。  男の膝の上で、後ろ手でつかまって胸を反らし、脚をMの字に開いて怒張を受け入れている。膝裏には男の指先が食い込んで、その様子をじっと上から眺められ、甘い声を聞かれている。穿たれながら、時々、うなじや首筋にキスされて――。 「痛いのか、陽向?」 「やっ……」  痛くなんかない。  ――気持ちいい。  もう、おかしくなりそうなほど感じている。  もっと穿たれたくて、もっと突き上げられたくて、腰を動かしそうになる。  この快楽にどこまでも溺れてしまいそうになる。 「陽向……可愛い」  可愛くなんかない。  恥ずかしくてたまらない。 (目を閉じて、歯を少し食いしばって、それでも甘い声を洩らして……なんて愛おしいんだろう。俺の方がどうにかなりそうだ) (愛してる)  深く挿れられて馴染まされ、周防の熱に体が解けていく。周防の下生えが当たり、もうすっかり貫かれたのだと分かった。 「気持ちいい?」 「う……うん」 「感じる?」 「……感じる」  陽向が喘ぐと周防の声がさらに甘くなった。 (陽向が乱れているところを、もっと見たい) (俺だけに見せる姿を――) 「動いてみて」 「……それは……無理です」  陽向は嫌だと首を左右に振った。  いつもなら大胆にできることが、声が聞こえるせいでできない。周防の体と言葉に犯されて、もうどうにかなってしまいそうだ。 (ああ、可愛いな) (やっぱり天使だ……)  膝を持たれたまま耳の後ろを舐められる。下から上へべろりと舐められただけで、背筋がゾクッと震えた。  周防のせいで以前より体が敏感になってしまった。  耳の裏や、肘の内側、膝の裏まで感じてしまう。人の体はどこも神経が通っていて、ちゃんと感応するようにできているからだろうか。  ――いや、違う。  周防だから気持ちがいい。周防にされるから気持ちいい。  周防に触られた場所が特別になる。  それが愛されることなのだと知った。 「周防……さ……っ」 「陽向」 「んっ……あ、中が……熱くて」 「熱い?」 「……うん、……もっ……ああっ」  出入りしているところから卑猥な音がする。聞くのも恥ずかしいのに、音がするたびに感じてしまう。気持ちよくて仕方がない。  ――ああ……。  下から突き上げられて体が揺れる。後ろから腰を抱かれて指先で乳首を摘まれる。脚を器用に使われて、自分ではもう閉じることもできない。ただ喘ぐだけだ。 (陽向のペニス、達きかけてる。先走りが白濁して、最高にいやらしい……) (触りたい)  不意に性器をつかまれた。濡れた手で丁寧に扱かれる。親指で亀頭を潰されて、苦しくなるほど呼吸が乱れた。  ――ああ、もう。  周防の腰の動きが速くなる。うなじを緩く噛まれた。  狭い浴室で体をつかまれて、もうどこにも逃げられない。このまま、感じて、甘い叫び声を上げて、周防に縋りつきながら達きたい。 「あっ……もう……無理」 「陽向」 (中が痙攣して、さっきからずっと俺を締めつけて離さない。こっちまで漏らしそうだ……) 「大丈夫だ。そのまま出していい」 「やっ……もう、揺らさないでっ――」  太いペニスに内側から前立腺を擦られて理性が弾ける。  もう何も考えられない。  体と脳が溶けそうなほど熱い。  ――気持ちいい。 「あ、いく――」  その瞬間、周防が腰を支えてくれた。  周防の硬さを感じながら吐精する。見られていることも忘れて、ただ快楽に溺れた。  白くなった世界で周防が好きだと思った。  幸せで、嬉しい。  愛されることはこんなにも気持ちがいい。

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