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【番外編】スケルトン・ラブ……⑫

「陽向……大丈夫か?」 「う……うん」  自分ではずいぶん長い間、気を失っていた気がしたが、どうやら一瞬のことだったらしい。周防が少し甘えるような感じで話し掛けてくる。 「もう少しだけ頑張れるか?」 「え?」 「俺はまだ達ってない」 「あ――」  顔が見たいと言われて体を裏返された。いつものように座位のコアラちゃん抱っこ状態にされる。 「痛くしない。すぐ達く」 「そんな……大丈夫ですから」  ぎゅっと抱き締められて揺さぶられる。  切羽詰った周防の顔が可愛い。  ぎゅうぎゅうしながら動いている。その締めつける力の強さが嬉しくて、陽向もぎゅっと抱き締め返した。  ――やっぱり素直で可愛い人だ。  凄く努力家だし、心から尊敬できる。  真面目で一生懸命で、ちょっとだけ変わっていて、驚くほど優しい。  自分もそうなりたくて、けれど、当分なれそうにない。  だから思う。  周防のために生きたい。  周防がずっと笑顔でいられるようにしたい。  好きで好きで、本当に大好きだから。 (陽向……愛してる……) (ずっと一緒にいよう)  周防の心の声に陽向も胸の中で答えた。 「くっ……」  頭ごと強く抱かれる。耳元で微かに呻き声が聞こえた。  ――あ……。  体の奥が熱い。  周防が達したのが分かった。  気持ちいい。  もう本当に天国みたいだ。  二人はしばらくの間、抱き合っていた。  離れたくなかった。  そうすることが決められていたかのようにピタリとくっついて離れなかった。

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