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第1話 (3)

瀬戸 蓮 side  俺は澄のことを愛している。でも澄は今日も他の男に抱かれるらしい。 あぁ、今日の相手は伊藤さんか。確かこの人は縛る癖があるんだったんだっけ。 『澄君。今日は19:00に駅前集合でいいかな?』 『はい。いいですよ。』 『では、その時間にね。楽しみにしているよ。』 『俺もです』 澄は寂しがりやだからか、いろんな男とシテいるのは知っている。今まではまだ笑顔を保てていたけどそろそろ無理そうだ。だって、澄はおれのものなのに。俺だけのものなのに。こんな狂ったどす黒い汚い感情は誰にも見せられない。 「俺、タバコ吸ってくる」 「うん」 ああ、今日も澄は俺の心の中をどす黒い何かで荒らす。煙で汚される肺のように。

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