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【7】-2
「もしかして、気を遣ってるのか? 慎一を独り占めしちゃ悪いとか思って」
岩田の言葉に、慎一が「そうなの?」と首を傾げた。
「なんだ、忙しいのかと思ってた。別に、ずっといてくれていいのに」
自慢ではないが、和希くらい暇な人間も少ないだろう。自嘲混じりにそう言うと「だったら、週末も暇?」と聞かれた。
「暇なら、猫、見に来ない? だいぶ慣れてきたし、そろそろ名前を付けてやりたいんだ」
「名前、まだ付けてなかったの?」
拾って一週間も経つのに。
「和希の猫だし」
「慎一が飼ってるんだから、慎一の猫だろ。名前だって、慎一が付けてやればいいのに」
「そうもいかない。半分は和希の猫だ」
だから見に来てよ、と慎一は言った。
「名前、一緒に考えよう。来れそう?」
和希は少しためらった。
「ほんとに、行っていいの?」
「俺が来てくれって頼んでるんだよ」
明るい笑顔を向けられて、頷いた。
「うん。行く」
頬が自然に緩んだ。
週末も慎一に会えると思うと、素直に嬉しかった。予定があることが、こんなに楽しみなのは初めてかもしれない。
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