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第9話 約束の1日目
ピピッピピッピピッピピッピピッ・・・
朝6時
セットしていた目覚ましがその時刻を告げる
「は〜っ、全く寝れなかった〜」
と瑞樹は朝からため息を吐く
大駕は、
瑞樹さんは俺がすることにただ感じてればいいから、どっと構えてて大丈夫だよ、
と言ってくれたものの
約束の1日目
どんなことをするのか気になってよく眠れなかった
そうベッドの中で悶々としているうちに
時間は過ぎていき
「やばいっ!早く準備しないと会社に遅れるっ」
と急いで起きる
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今日の分の仕事をなんとか終わらせて
外で大駕と待ち合わせる
大駕は一応まだ大学生であり、
会社でもインターン生という立場であるため
毎日出社する必要はない
そのため今日は出社する日ではないようで
まだ大駕に会えていない
ただ今日は一日中そわそわして気持ちが落ち着かず、普段ならしないようなミスも連発した
そんな姿を大駕に見られずに済んで、
今日は彼がいなくてよかったのかも知れないと
少しホッとする自分もいる
ただ就業中も大駕のことが気になって仕方がなかった
こんなにドキドキしているのは自分だけなのかな
今日この後する行為に期待をして妄想も膨らませたし
一方で、自分が何かしらヘマをし迷惑をかけたり
幻滅させたりしないだろうかと不安にもなった
こんなにも他人に心を揺さぶられるのは
初めてではないだろうか
ただ今日彼に会えないだけで
珍しく仕事に集中できないほどに寂しく、
もどかしい思いをするのだと
今日1日の自分を振り返ってそう感じるのだった
大駕は今日何を思ってどう過ごしていたのか
と思いを馳せる
少しでもいいから
自分のことを考えてはくれただろうか
と淡い期待を持ちながら彼を待つ
「瑞樹さん、お待たせ」
1日ぶりに会う彼はなんだか眩しく見えた
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