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第21話 彼の部屋で過ごす休日1
日曜日
いつもならゆっくりする朝だけど今日はバタバタと
出かける準備をする瑞樹
というのも、先日
「いつも瑞樹さんの部屋にお邪魔してて悪いんで
今度の休み、うちに来ませんか?
てか、来てください」
と大駕に半ば強引に休みの約束を取り付けられた
大駕の暮らしが
どんな風なのか気にならなくもないかな、
なんて言っておいて実際
瑞樹は内心大駕の家に興味があった
そして手土産を忘れずに持って家を出る
________
瑞樹はメッセージで送られてきた住所の場所に着いたものの
本当にここであっているのかと心配になる
なぜならそこはタワーマンションだらけの住宅街で
学生が住むようなアパートは無さそうだけど
と半信半疑になりながらも地図アプリに従ってやってきた
すると立ち並ぶタワマンのひとつから人影が現れ、
それは大駕だった
「あっ、いたいた
瑞樹さんいつも時間厳守だから、ひょっとすると
迷ってるのかと思って下まで降りてきたけど
近くまで来てましたね
じゃあこっちです」
と瑞樹は頭が混乱しながら
大駕に手を引かれ建物の中に連れていかれる
タワーマンションだし、
ロビーにはホテルばりのコンシェルジュがいるし、
それになぜか手は繋がれてるし
何ひとつ理解できない状況に混乱する瑞樹
部屋に着くと手は離され
それに少し寂しくも感じてしまう自分にも困惑する
そんな感情を振り払うかのように瑞樹は首を振った
それに部屋の広さも瑞樹の部屋の何倍か分からない程に広く、
内装もまるでモデルハウスのようにおしゃれだ
いつもと様子が違う瑞樹に
「気分悪いですか?」
と大駕は聞くが
「いや、大丈夫」と短く答える瑞樹
「それじゃあ、緊張してます?
初めてくる場所ですしね」
と大駕は再び尋ねる
それに瑞樹は答えられないでいると
「はぁー」と
大駕がため息を吐くのが聞こえ、
呆れられてしまったと感じる
「やっぱり今日ちょっと体調が優れないみたい
帰るね」
と瑞樹は無理やり笑ってその場から立ち去ろうとする
すると大駕に腕を掴まれそのまま後ろから抱きしめられ、耳元で
「俺、瑞樹さんに嫌われること何かしちゃいました?
今日は本当は瑞樹さんともっと打ち解けたくて、
俺のこともっと知って欲しいし、俺も瑞樹さんのこともっと知りたいし
そう思って家に呼んだけど
なんか空回りしてる自分に腹が立つっ
いつもみたいにはっきり言ってくれないと
俺分かんねぇよっ」
と打ち明けられ
瑞樹は急激にカァッと体が熱くなり、
胸が高鳴るのを感じる
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