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      第21話*R18

「ああ、葉琉。先にセーフワードを決めておこう。何がいい?」 「せ、わーど」 「そうだ。必須だろう。…そうだな、リングトンでどうだ。このホテルの名前だ」 「わかっ、た」  ギリギリの理性で葉琉はセーフワードを覚える。  セーフワードは、Subが自分の身を守る時に使う言葉であり、Domを強制的に止める事ができる魔法の鍵だ。確かに、アメリカ出張の時に長期滞在用で使っているこのホテル(部屋)はすぐに思い出しやすい。葉琉がそう納得していると、紫桜は考え過ぎだ。と言わんばかりにGlareを強めてきた。  理性を全て殴り捨て、本能の赴くままに葉琉は紫桜を求める。己の中が熱く滾っているのを遠いどこかで感じながら、自分を組み敷く男の首に腕を回した。  少し理性が残っていたが完全に消え去ったのを感じ取った紫桜は、妖艶な笑みを深める。 「Good(いい子だ)。葉琉、どうされたい」  笑みを浮かべたまま、紫桜は葉琉へと問いかける。もちろん、その言葉に吐く時にGlareの気配をさせる事を忘れずに。  紫桜の思惑通り、葉琉は更なるGlare(快感)を求めて口を開く。 「っ…。優し、くして、ほしぃ」 「何をだ?」 「お、ねが…ぃ。さわ、って」 「どこを」  大粒の涙を流しながら訴える葉琉に、とことん意地悪をする。今、俺の下で涙を流す卑猥な天使は、自分の腰が誘うように動いているのを知らないのか。ああ、さっさと喰ってしまいたい…。  両腕を頭の上でクロスの状態で拘束されている葉琉は、涙を拭くこともできずにただただ紫桜によって引き出された欲望を耐える。 「しゃ、ちょ…」 「違うだろう?」 「っ…」 「葉琉、命令されたいのか?」 「ちがっ」 「ではちゃんと呼んでみろ」  頭の中では社長が何を求めているのか分かっている。二人きりの時は名前で呼んでほしいと、以前から言われていたから。でも、それはどこか一線を越えてしまいそうで拒否していた。 「葉琉」  一瞬復活しかけた葉琉の理性は、紫桜のGlareによって再度消え失せる。 「し、お」 「ちゃんとだ」 「…、し、おう」  ああ、これを待っていた。  紫桜の中で何かが目を覚ます。それが何なのかは理解できない。しかし、己の本能がそれでいいと言っているような気がした。 「しおう、おね、がい」  葉琉のその“お願い”で、紫桜の中にいた理性も本能によって殺される。これまで抑えていたGlareを一気に開放し、葉琉を壊したい衝動に駆られた。  その本能に驚き、さすがにこのままでは葉琉を無理やり自分の物にしかねないと思った紫桜は、一度卑猥な天使の元から離れる。ベッドの傍に立ち、サイドテーブルに置かれていたペットボトルの水を一口飲んだ。振り返るとパンツ1枚でこちらを見つめる葉琉の姿があり、ムスコが暴走するのを既の所(すんでのところ)でどうにか堪える。 「Good(いい子だ)、葉琉。もういいよ」  紫桜は命令を全て解除する。それと同時に、葉琉に襲い掛かっていた強力なGlareも霧散した。葉琉はホッと身体から力を抜くが、物足りなさを感じて紫桜を見つめた。 「どうした。少しはマシになっただろう」  自分のムスコを顧みずに優しく言う社長に、葉琉は若干の苛立ちを感じて驚いた。  え、俺、なんで今怒ったの。むしろ、喰われずに済んだのに。 「困惑顔になってるぞ」  クスクスと笑いながらペットボトルをサイドテーブルに戻す社長。 「安心しろ。…やめないから」  瞬間、急激なGlareが自分に向けられるのを感じ、葉琉はまた理性を手放す。理性が最後に見たのは、紫桜の意地悪な、それでいて気持ちいいくらい卑猥で妖艶な笑みだった。 「Good(いい子だ)。…そのまま堕ちてくるといい」 ―――――――――――――――――――― …えっと、いや、ほんとごめんなさいorz  次こそは葉琉をドロドロに溶かします

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