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第79話*R18
橋本副会長の件は特に手出しはせず傍観すると決めた紫桜は、ようやく帰ってきた愛の巣で葉琉を後ろから抱き込み恋人の香りを心行くまで堪能していた。
「…いつまでやってるの?」
やっと慣れてきたのか、プライベートでは砕けた口調で呼び捨てにしてくれる恋人は、されるがまま我関せずと特に気にした様子などなく素直に抱き着かれ本を読んでいる。
「いつまでも。俺がいいというまで」
そんな俺様我儘な紫桜の甘えたにも特に返事をすることなく、活字から視線を外さない。本に少しの嫉妬を覚えるが、今はこうしてただ抱き着いていたかった紫桜は額を葉琉の背中に押し付けたまままた黙り込んだ。
風呂や夕食は終えており、寝る前のちょっとした時間にいつも小説を読んでいる葉琉。大体はそんな葉琉の隣で紅茶を嗜みながら恋人をジッと見つめたり、愛でている紫桜だが今日は違ったようだ。
そうして穏やかな夜がリビングの白いシン・ソファの上で流れる。
「……ちょっと紫桜さん?この手はなに?」
葉琉のページを捲る音だけが聞こえていたが、その葉琉が急に少し焦った様な声音でまだ抱き着いている恋人に問う。
「…ちょっと見過ぎだろう」
「はぁ?」
どうやら本への嫉妬心が大きくなったらしい。お腹に回していた手が葉琉の服の中へと侵入する。部屋着はラフにTシャツとスウェットが多い葉琉だが、今日は紫桜たっての希望で彼がいつの間にか購入してきた紺のシルクナイトウェア。シャツタイプでなぜか半ズボンのそれは肌触りはいいがちょっとソワソワするというのが着た当初の葉琉の感想だった。
今では特に気にせず着ることは多々あるが。
手はそのまま葉琉の腹部を優しく撫で、徐々に上へと上がってくる。それと同時に首筋を軽く甘噛みされ舐められ、葉琉は本に集中などできなかった。
「ちょ、紫桜?」
いつもはベッドで軽いキスから始まる行為。こんなソファで始まるなど、、、。あったな。
「可愛いお前が悪い」
紫桜の低く甘い声が葉琉の耳を犯す。同時に徐々にGlareを出され、葉琉の意識はもう本に向いてなどいなかった。
「っぁ!…ぅん」
上ってきた手が乳首を軽く掠める。自分の身体を這う手に快感を起こされながら、声が出ないよう無意識のうちに唇を噛んでしまう。
「悪い子だな。ちゃんと声を出せと言っているのに」
「んん…、んぁ。っん」
噴き出す様な勢いでGlareを葉琉に浴びせながら唇を奪ってくる紫桜。一瞬視線が合ったその瞳の奥に燃えるような何かが存在し、葉琉は腰の奥がゾクリと震えた。
後ろからのキスはいつもと違って少し興奮するが頭を思いっきり後ろに仰け反らせているので葉琉は少し苦しい。しかしそれが更なる快感へのスパイスとなり、葉琉の中心を硬くさせていた。
「本当にかわいいな、俺の恋人は」
口を放した瞬間浅く呼吸を繰り返す恋人に満足げに微笑む。紫桜からのGlareに加え、昨日からお預けを食らっていた葉琉は少しキスをし身体を触っただけで理性が飛んでいるようだった。
「葉琉、セーフワードは覚えているだろう?初めてこんなことをしたホテルの名前だ」
「…んぁ、ん。だい、じょう、、ぶ」
去年の8月、ヒューストンへの出張で二人は初めて行為をした。その時に決めたのがホテルの名前”リングトン”だ。ヒューストンへの出張は第二秘書のティムがいるからもうあまりしないが、葉琉は今でも忘れることのできないホテルだった。
そんなこともあったな、と少し現実に戻ってきた葉琉をまた紫桜が快楽の彼方へと送る。
「っぁん!…し、おぅ。も、っと」
「…こんなに濡らして悪い子だな」
素早く手を潜り込ませると、既に爆発寸前の葉琉がこれでもかと美味しそうな愛液を出しながら主張している。軽く触れるだけでビクンッと跳ねる葉琉。紫桜は生唾を飲みつつ、今にも吹っ飛びそうな理性を押し固める。さすがに慣らさずローションもつけずに巨根である自分のムスコを葉琉に突っ込むのは酷だろう。
そう思いながらも、抑えの効かないムスコは葉琉の菊を暴きたくて押し付けてしまう。
「ぁあ!んぁ…っ、も、むりぃ」
早くも葉琉の泣きが入る。可愛すぎる恋人 を壊す程犯したい自分 と大切に愛でたい自分 が葛藤する。葛藤しながら一瞬葉琉を持ち上げると自分と向き合うように体制を反対にした。
「葉琉、Look 」
「っ!…」
一瞬にしてDomと向い合せになった葉琉は視線を下へと逃がしてしまう。しかしそこは抜かりなく恋人が一番欲しかったであろうコマンドを使い蕩けた瞳を覗き込んだ。
「本当にかわいいな、俺の恋人 は。…Come 」
「…ん、んぁ…っぁ」
向い合せになり軽くバードキスをする。啄むだけのキスで悪戯されている葉琉は深くキスがしたくて紫桜の唇を追いかける。その様子に怪しげな色を瞳に窺わせる紫桜。バードキスをしつつ時々深くディープキスを。そうすると葉琉から舌を出したまま顔を近づかせ、キスしてくれるのだ。
気づいていないのだろうな。
「あっ!…だ、…んぁん!」
怪しげな笑みを深めながらもシルクのズボンの上から葉琉のムスコを優しく握る。ドクドクと血が巡っているのが分かる程に勃起した恋人のもの。喘いだ瞬間、腰を逸らせてしまった葉琉のソレが紫桜のムスコに擦れる。
「っ!…葉琉、Strip 」
さらに低く、圧倒的な妖艶さと共に紫桜のGlareが葉琉を襲った。
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