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第三章 ……兄さんの手、熱い。
冷える冬の夜、瑛一は惠と温かなベッドの中にいた。
「惠、お前のココは何だ。ふよふよじゃないか」
「馬鹿にしないでよ。僕だって、ほら……、ね?」
「へえ、結構固いな」
そこで惠も、瑛一に手を伸ばした。
「兄さんに触っても、いい?」
「いいぞ。ほら」
「すごい……、がちがちに固い」
鍛え方が違う、と瑛一は割れた腹筋を一撫でした。
「僕、明日からジムのメニューをもう少しハードにするよ」
「無理はするなよ」
そんなじゃれ合いをやってから、休むことが多くなった兄弟だ。
しかし瑛一は、複雑な心境だった。
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