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第三章・3
「兄さんに触っても、いい?」
「いいぞ。ほら」
「すごい……、がちがちに硬い」
惠はその白い手に、瑛一のペニスを握っていた。
「いいな、惠」
「兄さん」
歓喜に震える惠の後膣に、瑛一の硬いものがあてがわれた。
そのまま、熱杭が惠を貫き……。
「は!」
そこで目が覚めた。
がばと跳ね起き周囲を探ったが、取り乱しているのは惠だけで、空気もベッドもまるで大人しいものだ。
そして、瑛一も。
橙色のダウンライトを灯すと、兄の顔が浮かんで見えた。
安らかに眠る、穏やかな顔つき。
夢の中でのぎらついた兄さんは、僕の記憶のどこに棲んでいるのだろう。
「ヤだな、僕ったら」
自分自身が、硬く張りつめている。
実の兄に抱かれる夢を見て昂ぶるなんて、恥ずかしい。
そっと、後膣に力を込めてみた。
じんじん疼くそこは、確かに瑛一を求めているのだ。
「ダメダメ。そんなコト、絶対に」
血の繋がった兄弟で、あってはならない事だと気持ちに無理やり蓋をした。
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