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第三章・5

「や! 兄さ……んッ!」 「スキンつけるぞ」  兄さんの手で擦られて、こんなに熱くなって。  僕はもう我慢できないところまで来てて、それでも兄さんは冷静で。 「あ! ダメッ! あぁああ!」  手早く瑛一がスキンをつけるや否や、惠は思いきり弾けてしまった。  はぁはぁと口で呼吸をしていると、唾液が一筋流れ出た。  それがいかにも淫靡なことのように思われて、惠は急いでそれを舐めとった。 「溜まってたな」  スキンの口を結びながら、瑛一がぼそりと呟いた。  馬鹿にするでもなく、からかうでもなく。  それが惠には幸いだったが、返す言葉にとまどった。  瑛一は返事を待つことなく、惠のパジャマを勢いよく上へあげた。 「時々こうして、抜いてやれ」  こくり、と頷く惠を確かめると、それだけで兄は横になり体を少し丸めた。  寝るぞ、とも言わずに、それきり動かなくなってしまったので、しかたなく惠は照明のリモコンを操作し、ダウンライトを消した。

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