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第四章・3
(いかん。勃ってきた)
彼を抱く、ということが前提にあるからだろうか。
これまでキスをしても、こんな体の反応はなかったのに。
唇を割り、舌を入れた。
ためらった後、触れてくる惠の舌が愛らしい。
舐め、擦り、吸った。
温かな湯上りの惠の肌は、どんどん熱くなってゆく。
(兄さん。あぁ、兄さん。兄さん)
いつからだろう、兄さんが、こんなに僕の中にいっぱいいっぱい入ってきてしまったのは。
僕の事抱いて。今夜ここで
こんな恥ずかしいおねだりまでしちゃったし。
ホントは、少し怖い。
後は兄さんに任せよう、と惠は痺れる頭で思っていた。
最後までいっても泣かないし、途中でやめられても泣かない。
成り行き任せはずるい気もしたが、惠の心も揺れていた。
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