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第四章・8
「ん……ぅん。んッ、んッ、ん!?」
弾かれたように、惠は目を開いた。
瑛一の指が、後膣をまさぐってきたのだ。
「兄さ、ん?」
「指で慣らさないと、挿入らないぞ」
あ、そういう……。
「ぃや、でもッ」
「いいからお前はキスをしろ」
「……」
体内に挿入される、異物感。
これを乗り越えないと、瑛一とひとつにはなれないのだ。
「やッ! 兄さ、んッ。ぅうッ」
「解かった、もう少し濡らす」
瑛一は手を伸ばすと、ローションを取った。
指に、惠の蕾に塗りたくり、滑りをよくした。
少し我慢すれば、天国に行かせてやる、という瑛一の言葉が怪しい。
ただ惠は、息をつめて耐えた。
「お前の内は、悦さそうだぞ。指に絡みついてくる」
「そ、そう?」
ぐちゅん、ぐちゅん、と音を立てて瑛一が指を出し入れする頃には、惠の頬はすっかり赤く染まっていた。
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