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第五章・5

 日曜日という事もあり、店内は賑わっていた。  奥の窓際に掛けた惠は、自分に注がれる視線に気づいていた。  いや、自分ら、と言った方が正しい。  確実に、それらの視線は瑛一にも向けられていたのだから。 (恋人同士に、見えるかな。もしかして僕、女の子と思われてたりしないかな) 「それにしても……」  惠の呟きを、瑛一はさとく聞き取っていた。 「どうした?」  うん、と惠は円い眼を凝らした。 「兄さんが、アイスクリームショップに居る画って、すごくシュール」 「似合わない、ということか?」 「そういうのとは、ちょっと違うな。ギャップ萌えするよ」  やれやれ、とアイスをぱくつく瑛一だ。 「兄さん、おいしい? ね、一口ちょうだい」 「いいぞ、ほら」  兄の食べるアイスは、ほろ苦いコーヒーのフレーバーにビターなチョコだ。  美味しいおいしいと思っていると、意外な言葉が瑛一からかけられた。

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