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第五章・12

 瑛一の節ばった太い指は、惠の体内をかき乱し何度も絶頂を誘っていた。  しかし、そのたびに、イかされるたびに、惠は思っていたのだ。 「兄さんのが、欲しい……」  ばらばらに動いては、惠の体内にある性感帯を刺激していた瑛一の指だ。  だが、弟を満足させるには、役不足だったようだ。  兄さんのが、兄さんが欲しい。  指よりもっと熱くて凶暴な、兄さんに滅茶苦茶にして欲しい。 「……悪い子だな」  今日、何度目になるかしれない予想の外れに、瑛一はにやりと笑った。  横向きの惠を抱えて腹這いに寝かせ、腰を高く上げさせた。  そして白い双丘の谷間に、怒張した自らを擦り付けた。 「もうこの味を覚えたのか? いけない子だ」  つぷ、と浅いところに挿れると、惠の背中がひくりと反った。  浅いところから半ばまで、瑛一は慎重に腰をやった。  傷でもつけたら大変だ。  大切に大切に、惠の体内を探った。

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