95 / 163
第六章・4
家長の厳命があれば、パーティーに出ないこともないが、と瑛一は考えた。
しかし、大勢で和気あいあいという画は苦手だ。
「解った」
「本当!?」
「24日のパーティーは、腹八分目に抑えておけ」
「え?」
「藤堂家のパーティーが済んだ後、お前と一緒に居てやる」
兄さんはまた、そんなことを!
「どうしても、皆と一緒に騒ぐのはイヤなんだね、兄さん……」
半ば呆れた声の惠だったが、二人きりで瑛一と過ごせる、というのは素敵だ。
惠は、今までで一番、クリスマスが待ち遠しくなってきた。
ともだちにシェアしよう!