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第六章・12

 抱き合いながら、瑛一は惠の首筋に舌を這わせてきた。  時々緩く吸い、刺激をくれる。  そのたびに、惠は深い息を吐いた。熱い息を吐いた。  睫毛を震わせ、この後に繰り広げられる甘美の期待に酔った。  首筋から胸に移った瑛一の舌は、やはりゆっくりとその小さな乳首を弄った。  軽く舐め、吸い転がし甘噛みする。 「んんッ。にい、さん。あ、あぁ……」  惠の足指が、きゅっと結ばれる。  両脚を擦り合わせ、もたらされる快感に、必死で耐える。  そんな惠の我慢する仕草が、瑛一は好きだった。  乳首を嬲りながら、太腿を撫でる。  外側から、やがて内股へと進み、瞬の体の中心へ手を伸ばす。 「んあッ!」  すでに勃ち上がっている惠を掌で摺り上げると、切ない声が上がった。  丁寧に、じっくり擦りながら、瑛一は惠の耳元で囁いた。 「最近はどうだ。自分で、こうしているか?」 「そ、んな。ヤだッ。んあぁッ!」  

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