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第六章・15
「あぁあッ! 兄さん、もう、もうダメぇえッ!」
惠の腰が大きく浮いて、淫らにくねった。
4度目の絶頂に達した惠に重なるように、瑛一もまた、その体内に熱い精を迸らせた。
「あぁああ!」
ひときわ高く啼いた惠は、その身を引き攣らせた。
しばらく首を仰け反らせていたが、やがてどさりと体をベッドに預けた。
「はぁ、はぁ、あぁ……」
口で呼吸し、眉根を寄せている。
苦悶の表情に見えなくもないが、その白い腹に手を当てて、愛おしそうに撫でている。
「兄さん……」
甘い疼きは、余韻となって惠を温かく浸していた。
「惠」
瑛一が、惠に軽く口づけた。
惠もまた、それに応えてキスを返した。
「すごく素敵だった。兄さん、メリークリスマス」
「メリークリスマス、惠」
二人寄り添い、温め合いながら眠りについた。
サンタクロースがプレゼントを持ってきても、にっこり笑って帰っていくだろう。
他の誰かからプレゼントをもらわなくても構わないほど、二人の寝顔は幸せに満ちていた。
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