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第七章・13

「創立は、藤堂家だそうだ」 「そうなの!? 凄いなぁ」  だから僕でも途中入学できたのか、と惠は頷いた。  創立した人間の関係者なら、多少の無理も通るというわけだ。 「それは、俺も同じだ。俺が放り込まれた大学も、この上の学校だからな」  お前も、いずれ進む大学だ、と瑛一は微笑んだ。 「僕、兄さんの後輩になるんだね」 「そういう事だ」  何だか嬉しいな、と惠はどきどきしていた。  母さんが亡くなってから、何だか希薄になってしまっていた兄弟のつながり。  藤堂家に引き取られて、瑛一も屋敷に落ち着くかと思っていたがそれもかなわず、心を傷める毎日を過ごしていた。  それが今や、大学の先輩後輩になるかもしれない位、近くに感じられるのだ。 「僕、頑張って勉強して兄さんの大学へ進むよ」 「その意気だ」  和やかな雰囲気の中、惠と瑛一は茶室へ入った。

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