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第七章・14

「あれ? 誰もいない」  部員が多いから、絶対誰かは居ると思ったのに、と惠は眼をぱちぱちさせたが、その後すぐに、手をパチンと叩いた。 「兄さん、ごめん! 今日、お茶の先生がお留守だから、部活は休みだったんだ!」 「そうか」 「そうか、って。残念じゃないの?」 「いや、その方がゆっくりできそうだと思ってな」  瑛一はそう言うなり、八畳の上にごろんと寝転がった。 「お行儀が悪いよ、兄さん!」 「まぁ、こういう茶室の使い方もあるという事だ。どうだ? お前も」  のんびりと瞼を閉じる瑛一の姿に、惠はくすりと笑った。  じゃあ、僕も。と言うと、兄の隣に横になる。 「あ~あ。お茶の先生が見たら、真っ赤になって怒るだろうな」 「怒りたい奴には、怒らせておけ」  惠も瑛一に習って、瞼を閉じた。

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