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第七章・20

「はぅ、ひぅ……、はぅ……」  でも何で? 僕は出してないのに、こんなに。こんなに……。 「ドライ・オーガズムだ」 「え? どら、い?」 「男は、出さなくてもイける時がある」 「うん……」  あぁ、と呟き惠は瑛一に頬を擦り付けた。  また、初めてをくれたんだね。兄さん。  甘いと言うには、あまりに激しい余韻だった。  時折ぴくんと体を跳ね上げながら、惠は事後を過ごした。  瑛一の腕の中で、幸せな時間を過ごした。

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