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第九章・13

「はぁ、あ! イッてる時に、突かないでぇえ!」 「お前はどうだ? 惠」 「んんあぁ! また、またイッちゃうぅ!」  そんな惠のペニスの根元を、瑛一はそっと握った。 「答えろ、惠。でないと、出させてやらないぞ」 「っく。意地悪ぅう!」  悶え、息を荒げ、それでも惠は瑛一を真っ直ぐに見た。  涙に濡れてはいたが、きれいな目をしていた。 「僕も、瑛一さんのことを愛してる。誰よりも!」 「ありがとう」  瑛一が手を離すと、惠は二度目の射精をした。 「も、ダメ。瑛一さん、少し休ませて……」 「いいぞ。俺がイッてからな」 「はぁあ、う! んあぁああ!」  勢いよく瑛一の精が、惠の体内を襲った。 「んっ、んっ、ふ。う、ん、んんぅ……」  五体に巡るほどの瑛一の精を、惠は歓喜をもって味わっていた。  瑛一さん。  これからも、ずっと一緒だね。  こうやって、愛し合えるんだね。  くたん、と身体から力を抜いて、惠は瑛一の胸の中に納まった。  あったかい。 「このまま眠っちゃっても、いい?」 「いいぞ。ゆっくりお休み」  二人溶け合い、眠りに就いた。  二人で同じ、夢を見た。

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