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第八章・15
「藤堂 瑛一さん、あなたは惠さんをパートナーとし、嬉しいときは共に喜び、悲しいときは寄り添い、生涯愛することを誓いますか」
「誓います」
「藤堂 惠さん、あなたは瑛一さんをパートナーとし、病めるときも健やかなるときも、支え愛することを誓いますか」
「はい。誓います」
「それではお二人に伺います。本日お二人は ここに咲き誇った花々に見守られて、晴れて結ばれることができました。この喜びを忘れることなく、力を合わせて明るく幸せな家庭を築くことを誓いますか」
「誓います」
「はい。誓います」
茉莉はにっこり笑うと、二人に握手を求めてきた。
「どうか、幸せになってください」
「ありがとう、茉莉さん」
「最高の結婚式です!」
それでは、誓いを見える形で示してもらわなくては、と茉莉はこれまた目をくるくるさせた。
「誓いのキスを!」
「え!」
「茉莉さんの前で!?」
わたくし、一度はお二人のキスシーンを拝見しておりますのよ、と茉莉は涼しい顔だ。
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