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フラフラ

「くはは! 辻村くんはもうギブアップかい?」 「まだ、飲むんですか……!? テキーラのショットにウイスキーまで飲んで」 「んん、もう少し飲めるんだけど…… これ以上飲んだらマスターに怒られそうだ 前に飲み相手を酔い潰して救急車呼んだか らねぇ、またやったら出禁にされそうだし マスター、水とお冷アルファを一つずつお願いします」 お冷を辻村くんに渡せば、素直に受け取ってくれる 「ありがとうございます……」 「いやー、でもここまで飲める子は初めてだよ、結構いけるんだね 今までの子はこの半分くらいの量で潰れてたし、中々楽しかったよ」 「……ちょっと、お手洗い行ってきます」 ふらふらした足取りで辻村くんがトイレへ行ってしまう 「…………お連れ様大丈夫ですか もうすぐ閉店の時間になりますが」 「もう、そんな時間でしたか すみません、彼の分も一緒に会計お願いします ……最後に、お冷アルファ二つお願いします」 「…………」 「大丈夫ですよ 最後まで面倒は見ますって」 「………………どうぞ」 マスターが出すのと同時に辻村くんが帰ってきたので辻村くんにお冷を渡す 僕もお冷を飲み干し辻村くんと一緒に店を出る 「すみません、あとで返しますので……」 「んん、いやいいよ 僕の奢りってことで、楽しかったし」 「何から何まですみません……」 「……あれだけ飲んでもまだ意識もあるし、歩けてるってすごいねぇ ……でも辛そうだし僕の肩掴まって 僕の家近いからちょっと酔い覚まそうか」 「…………」 かなりフラフラな辻村くんに肩を貸し家へと帰る かなり酔っている辻村くんをソファーに座らせ水を渡す 「辻村くん、水飲めるかい」 「あ……?」 「どうしたんだい、吐きそう?」 「……いえ、なん、か、体が……あつい、? いや、違う、これは」 「"ラット"って言いたいのかな」 「……!なんで、わかっ いや、でもオメガのフェロモンなんて…… そもそも俺は効きづらい体質なのに な、んで、」 「そりゃあ、僕が仕組んだからね」 「……は?」

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