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 男を相手にしたことがないニューイは、九蔵の様子をつぶさに観察しながら、ゆっくりと腰を押し進める。  何度も声をかけながら内ももに指を差し込んでは、魂の器の端をマッサージして痛みや異物感を和らげた。  悪魔の能力を使おうともしていたみたいだが、そこはぐっと我慢したようだ。  人間の九蔵との初夜は、人間のやり方でやりたい。  ニューイがそう言うから、九蔵も丸くなって悶絶するのを我慢して、進むのもたいへんな狭い肉穴をどうにか緩ませていく。 「う……く、んっ……」  そしてなんとか根元まで呑み込むと、九蔵は全身を、喉元から頭が覗きそうな膨満感に襲われた。  はっ、はっ、としどけなく開いた唇から熱っぽい吐息を漏らす。 「はい、ってんの……?」 「バッチリだ」 「ばっちりですか……」  聞かなくてもわかっていたものの、言葉にされると、感無量だ。  ゾクゾクする。  奇妙な高揚感と、微かな困惑。 「さて、辛いところはないかい? 残念ながら私のモノは小さくできない。これは九蔵の望む普通の行為だが、キミは背丈も手足も長いのに薄くて心配だ」 「んっ……薄い、言うな……ふっ……」 「そーっとしなければ。ココには早く私の大きさに慣れてもらいたいけれど、勢いで動くとお腹を破ってしまいそうである」 「聞けぃ、っ……んく……っ」  過保護なニューイは九蔵の頼りない腰を抱え直し、内部を慣らすため、ねっとりたっぷりと小刻みな抽挿を始めた。  どれだけ過保護なんだ。  出し入れかも怪しい。  ぐっぐと腰を押しつけるだけの動きなのに、九蔵は自分の手のひらに呻吟を吐く。  何度も繰り返すうちに少しずつ律動の速度が上がると、引きつけのような九蔵の呼吸に、確かな甘味が立ち上った。 (イイ、かも) 「あっ……ぁ……はぁ……」  九蔵の体は、波間をゆれる船のようにシーツの上をたゆたう。  尻を突き上げられると、内臓がグッとせり上がり苦しい。しかし呼吸を合わせて中を拡げれば、ずいぶん深く呑み込める。  長大なモノの先端が、肉筒の突き当たりへくちゅ、くちゅ、と懐いてノックした。 「っう、……っう、く」  触られたことのない箇所だ。  直腸の奥を抉られるなんて気持ち悪いはずが、どこか心地いい。  中を使って餌やりをした時、ニューイが九蔵を感じさせまくった結果だろう。  魂イキといい、恋人じゃなかったニューイは意外とこの体を好きにしている。それだけをニューイに許していた自分がドロドロで、面映ゆい。 「んっ……ふ……」 「ふふふ。九蔵は、私を呑み込むのがじょうずだ。滑りがよくなってきた」 「マジで? んっ……」 「うむ。奥の奥までちゃんと拡がる。触ってみればわかるかもしれないぞ?」 「ぁ……は、っ……うわ〜……」  誘われるがまま自分の下腹部に手をやると、確かに、腹の中をギチギチの埋めるニューイの存在を感じた。  大きく開かされた足の根元はよく見えないが、それでもそこはぐっぷりと噛み合っているのだろう。  呼吸をするたびに入り口の肉輪が収縮し、むしゃぶりつかれる肉棒は、トクン、トクンと脈動している。  なるほど、これがセックス。  抱かれるということか。 「はっ……すげ……先に指使ってたからかわかんねぇけど、結構馴染んでるっつか……なんか、ちゃんといますね」 「ふふ、いるとも。キミの中は居心地がいいからずっと入っていたいな」 「ン、っあ、混ぜんな……っン……」  結合しているという実感に関してなら、たぶん、なによりもリアルに感じることができる手段だと思った。  でも本当に出すところに突っ込むことができるなんて、とファンタジーな気分でもある。  それも気持ちいいのだからおかしい。  繋がっている部分に力を入れるとそこからジンワリと快感が広がり、つい「んぅ……っ」と甘く鳴いてしまった。不思議な気分だ。 「はっ……ここにお前がいるだけで、なんか、気持ちぃのに……突いたらそりゃあ、俺の腹ん中溶けるよなぁ……」 「っ……」 「はは、中で混ざってそうですね」  妙に感慨深い気がして、九蔵は腹越しにニューイのモノをスリスリとなでてみる。  ハラワタを押しながら擦るように丁寧にこすると、中で少し大きくなった気がした。気のせいだろうが、やはりおもしろい。 「ああもう……なぜキミはいつも、こう……っ悪魔を挑発するんだい?」 「え……ぅあっ……!」  そんな九蔵に煽られたニューイは、一度大きく腰を引き、小刻みな抽挿に慣れた中をズプッ! と強かに穿った。

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