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「ううん、最高だ。予想以上のことを言ってもらえるなんて……これはマズイぞ」
「っ、んぁ……っ」
「九蔵が好きすぎて浄化されそうである」
ズブッと腰を強く打ちつけられながら、九蔵は悲鳴ごと唇を奪われた。
なにがイイのかわからないが、悪魔的には「堕ちたい」と言われることが男心を擽る胸キュンポイントのようだ。
九蔵はなるべく言いたくなかった。
なんせ、心臓部の魂を触られると理性がトぶほど気持ちいい。
あとで羞恥に殺されるくらい乱れに乱れることを自主的に強請るなんて、とんでもない淫乱のようで恥ずかしいのだ。
「んっ……んんっ……んっ……」
ニューイは舌を絡め、上顎を撫で、唾液を啜った。キスと共にズッ、ズッ、と激しく出入りを繰り返され、九蔵は全身を熱く染める。
呼吸がままならない九蔵の唇をヂュク、と吸い、ニューイの舌がヌルンと退く。
「はっ、触るよ」
「──ゔぁ……っ!」
一声のあと、ニューイは掴んでいた九蔵の脇腹へズプッ! と両手の指先を挿れる。
指先が魂の器に触れた瞬間、九蔵の全身をブワッと神経を突然弾かれたような快感が意志と関係なく迸った。
「ひっ、そこダメ……っ」
「まだ脇腹だぞ?」
「あ、っ、中と一緒にすんの、はっ……! あっ……ダメ……っダメになっちま、ぁ、あぁあ……っ!」
魂からの快楽はまるで麻薬だ。
心まで蝕まれるほど強く、ちょっとなでただけでも甘い声で鳴く。
ガタガタと震える九蔵は、理解の外側から襲う快感に怯えて体を丸め、ニューイの腕にしがみついた。
ピク、ピク、と勃起した性器が足の間でヒクついているのがわかる。
肉欲が失せても関係ない。
直接そこに触れられると、抗えない快楽への欲望が無理矢理引き出される。
そんな魂を指でグチョグチョとかき混ぜながら長大な肉棒で体ごと強く貫かれると、イイくせにダメと鳴くのは道理だ。
しかしニューイは九蔵の中を突き上げながら、ニコニコと笑う。
「ダメになるのかい? ふふ、大丈夫だ。怖くない。ダメな九蔵は大歓迎だよ」
「どっちも、中、あっ、突きながら、ま、混ぜねぇでっ」
「ダメな九蔵はとてもかわいい。ダメでかわいい。私の九蔵はかわいい。だからダメになろうね」
「や、っ……! かわ、かわいくねぇから、ダメに、ならないほうがいい……っ」
「いーやかわいいとも。感じやすくて可愛がりがいがある……いいかい? もう少し真ん中を触るのだよ」
「あ、っ……! うっ…! うあっ……!」
耳が溶けそうなほど、ドロッドロに甘ったるい悪魔の囁き声だった。
遠回しにやめようと言っているのに、そうやって甘やかしながら躾られていくと、九蔵は逆らえない。
ずぷっ、と入り込んだ十本の指に性感帯をダイレクトでまさぐられ、九蔵は今すぐ暴れて逃げたくなった。
「ゆ、ゆっくり、ゆっくり」
「もちろん。ゆっくり触れていこう。まずは鳩尾のあたりに、指先を」
「ぅひぁ……っ」
「次は手のひらで」
「やぇっ……えぅっ……嫌だ、なんか漏れちま……っあ、っいぁ……っ」
「じょうずだぞ、九蔵。それに凄く、やらしい顔をしている」
「うっ……っく、もうダメだって……っそれ以上、は、ぁあ……っおかし、く、なるっ」
ハッハッと息も絶え絶えに呼吸し、全身をブルブルと震わせて悶える。
あぁ、ダメだ。
そんなところ、直接過ぎてくすぐったい。力が抜けて漏らしそうになる。
「あっ、あぁっ、あっ」
中イキとも射精とも違う刺激が這い寄る酷い愛撫。
これ以上はダメだ、というギリギリを、握りこまれる強烈な快感。
九蔵が必死にニューイに縋りついて襲い来る絶頂感を堪えると、ニューイは九蔵に何度も口付け、肌に印を刻んだ。
中と魂を丁寧にマッサージし、快楽に堕落させていく。魂をくすぐりながらぬかるんだ肉穴へ逞しい怒張がグチュッ、グチュッ、と出入りする。──もう、限界だ。
「ん゛ぁっ……!」
「っ……!?」
そして優しく揉むようになでていた片手がゾプ……ッと鳩尾に深く潜り込んだ瞬間、九蔵の体は熱く昂り──達してしまった。
ほとんど魂への感覚だけで、だ。
絶頂とともにそそり勃つ肉棒からひとりでにゴプッ、と白濁液が飛び散り、吐き出すたびに鈴口がヒクッヒクッと開閉を繰り返す。
「ちょっと待っ、っく、っ……!」
九蔵が達すると同時に息を詰めたニューイは慌てふためき、すぐに突き上げを止めて引き抜こうとした。
しかし間に合わず、九蔵の中へドクッ、ドクッ、とマグマのような奔流を注ぎ込み、情けなく眉をしかめてしまった。
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