386 / 459
386※
「ニュぅい、っん、すげ、っ……っあ……ニューイ……っ」
後ろから抱かれるとニューイの顔が見えなくて残念だが、こちらも見栄えを気にせず散々あんあんと喘げる。
九蔵は、大袈裟なくらい色めかしい声を出したほうが、興奮するのだ。
涎を垂らして発情期のメス猫のように悶えるだらしない顔を見せずにすむのなら、むしろ大胆に鳴きたかった。
わざとらしく声を上げて、アダルトビデオ宛らの痴態を晒したくなる。
そんな自分はやっぱり変態なのか? と思う九蔵ではあったが、夢中になって快楽を追い求める今は、答えなんてどうだっていいだろう。
(う、マジか、もうイキ、そ)
「はぁっ……こんなすぐ、っあ、どうしよ、またイク、ぅ……っ」
そうして声高く喘いでいるだけで簡単に興奮する自分に、九蔵は羞恥に焼かれてブルッ……と身震いした。
一度目は出していなかったとはいえこんなに早く二度目を迎えるとは、早漏のようで恥ずかしい。
しかし我慢なんてとてもとてもできそうにない。だが、自分ばかりイってしまうのはやはり恥ずかしい。
待ち望んだ解放を前に、股の間からトロ、トロと先走りがしたたりシーツを汚す。
そんな九蔵の男心なんてつゆ知らず。
「イキたいのか? なら約束通りたくさんイかせてあげよう、私の九蔵」
「──んひぁっ……!?」
悪気なんてないニューイが背後でふふふと笑い胎内を激しく突き上げ始めて、九蔵は悲鳴をあげてビクンッ! と体をしならせた。
この悪魔様め。普通に突かれて達しそうになっていたというのに、いきなり本気で抱くやつがあるか!
九蔵は内心で絶叫し反射的に逃れようとするが、難なく押さえつけられる。
そして狙いがズレないようガッチリ引き寄せられ、絶頂の気配にヒクヒクと蠢いていた襞をズチュッ、ズチュッ! と容赦なく逞しいモノで摩擦される。
「ンッ、ンッ、ンッ」
ニューイは〝この角度でこんなふうにこういう速度でここを犯すと九蔵が咽び泣くほど感じる〟と熟知しているのだ。
当然、逆らえるわけもなく。
「ン、ンン゛ゥ……っ!」
熱く脈動する怒張に前立腺が圧迫されてねばついた精液が尿道から顔を出し、九蔵はビュク、ビュクッとあっけなく吐精した。
ニューイは嬉しげに九蔵のうなじへキスをし、肩甲骨、背筋と舌を這わせて久しぶりの性欲をゴクゴクと味わう。
九蔵はガクガクと痙攣する筋肉に揺さぶられ、弓なりに仰け反る。
シーツの上にドロドロと濃厚な白濁液が飛び散り、腹の下に水たまりができた。
「へへへ、あぁ、久しぶりの九蔵の欲望は匂いもさることながら味も極上だな」
「んぁ、っあぁぁ…っなんれぇ……っ」
達した一瞬目の前が真っ白になり意識が快楽に麻痺した九蔵は、震える声で呻いた。
当然のように欲望を残すニューイの律動が、止まらないのだ。
「もう止ま、止まってニューイ……っもぉイったから、終わんねからぁ……っ」
「うん? ふ、そりゃあ終わらないさ。言ったじゃないか、何度でもイかせてあげるって。私は九蔵との約束をよぅく守るぞ? 本当だ。イイコさ」
「あっ…! あっ…! らぇあっ…!」
「ふふ、呂律も回らないくらい感じて、まったくキミはすみずみまで敏感だな……ほら、わかるだろう?」
ニューイのバカ。
全然わからない。なにもわからない。
ピンポイントで一番気持ちいいところを何度も何度もノックされ、九蔵はもうわけがわからない。
ほんの数秒が何倍にも感じる。
最早ただの拷問だ。まともに呼吸ができないくらいぬぶぬぶと激しく出入りされると、感じすぎて暴れたくなるのに動けない。
「やぇぅ……やぇぅお……っ」
「イッたばかりなのにもうイキそうになっている。私がこうして突くたびに九蔵の中がひくひく震えて、手も足も首も内臓もキミの全部が痙攣しているよ」
「ひわっ、言わねぇで……っ、うっ……ひぅあ…っああぁ……っ」
ニコニコと無自覚にイジワルを言いながらまるで野獣のような犯し方をするニューイに、九蔵は頭を振っていやいやと身悶えた。
ともだちにシェアしよう!