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第15話 ∥
「シャーネ、今日からディラントはシャーネの義弟のなった」
夕食の時、伯爵様がシャロウネにそう告げる。
それを聞いた瞬間、シャロウネの表情がパァと明るくなった。
「本当ですか!?私たち姉弟になったのですか!?」
そう言ってシャロウネは喜ぶけど、俺は違和感を感じていた。
ディラントは7歳、シャロウネは8歳。
伯爵様の養子になってシャロウネと姉弟になるってことは、ディラントは自動的に弟になる。
でも"俺"は25歳でどちらかと言えば兄の感覚だった。
「ディラント、ディラント。私たち姉弟になったのですよ!」
そう言ってシャロウネは満面の笑みを見せる。
「…そうですね」
「ディラント、これからは私のことは『シャーネ』と呼んでください。私もディラントのことを『ディー』と呼びます」
………『ディー』って言うのは愛称なんだろうか。
「ディー、これからよろしくお願いします」
そう言ってシャロウネは手を差し伸べてきた。
「…はい、こちらこそよろしくお願いします」
「これで私たちは家族ですね」
そう言ってシャロウネは笑った。
……家族か……二人には悪いけど、"俺"は二人の事を家族と思えない。
養子になることは了承したけど、家族じゃなくて同居人の感覚だ。
良くしてもらってるのにこんなこと考えるなんて、俺は嫌な奴なんだろうな。
そう思って、俺は苦笑を漏らした。
でも、それは仕方の無いこと。
だって"俺"にとって家族は、友華だけだから。
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