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第17話 シャロウネ・グロウ

俺が『ディラント』になって5日、『ディラント・グロウ』になって5日が経った。 ようやくこの生活にも慣れて、『ディラント』と呼ばれるのにも反応出来るようになった。 伯爵様の養子になって、最初に始めたのは文字の読み書き。 勉強するにも何をするにも、まず文字の読み書きが出来なきゃ始まらない。 この世界の文字は一種類だけ。 日本語みたいにひらがなやカタカナ、漢字がある訳じゃないから読みは比較的早く覚えられた。書くのはまだ苦戦中。 後は算術を習い始めた。 この世界の算術は基本が足し算、引き算、かけ算、わり算。 難しいと言われるのもそれらが合わさったものだ。 俺からしてみたら小学生レベルだった。 まぁ日本でも色々習うけど、殆どが学校を出たら使わないから、その点は実用的と言えば実用的なんだろうな。 座学とは別に、魔法の練習も始まった。 イノラバの世界は魔法が存在する。 この世界の魔法の属性は火、水、風、雷、土、氷、光、闇の8種。 試してみた結果、俺は全属性が使えた。 確かに使えたけど…… 火属性→ライター 水属性→水道 風属性→そよ風 雷属性→静電気 土属性→盛上り 氷属性→かち割り氷 光属性→ペンライト 闇属性→手元が暗くなるだけ どうやら俺は魔力量が少ないらしい。 これじゃあって無いようなものだ。 魔法の使い方を教えてくれた人は、全属性使えるだけでも凄いと言ってたけど、本当にそれで良いんだろうか。

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