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第24話 家族
目を開けると、豪華なシャンデリアのぶらさがる見慣れた天井が目に入った。
………何度目覚めても、やっぱりこっちが現実なんだ。
そう思って俺は顔を押さえようと手を動かすと、何か引っ掛かる感じがした。
見ると、シャロウネが俺の手を握ったまま眠っていた。
………何でシャロウネがここに?
俺は体を起こそうとするけど、上手く体に力が入らない。
何とか体を起こした瞬間、クラッと目眩がして俺は空いてる手で額を押さえた。
体が怠い。
少し動くのも億劫になってくる。
俺はどうしたんだ?
「ディラント様、お気付きになられましたか」
そんな事を考えていると、そう声がする。
見ると、リーナさんが立っていた。
「……リーナさん」
「ご気分はいかがですか?」
そう言われても俺は状況が掴めず、思わずリーナさんを見つめてしまった。
そんな俺を見て、リーナさんがクスッと笑う。
「ディラント様は昨日、書庫室でお倒れになったのですよ」
「………倒れた?俺が?」
「はい、お医者様が言うには、過労とストレスだそうです」
………過労とストレス。
なんか、身に覚えありすぎる。
そう思って、俺はため息をついた。
「すいません、迷惑を掛けてしまって……」
「迷惑だなんてとんでもない。私たちの方こそ、お気付き出来ず申し訳ありませんでした」
そう言ってリーナさんが頭を下げる。
「リーナさん、頭を上げてくだ……っ……」
頭を下げるリーナさんを止めようと動いた瞬間、また目眩がした。
「ディラント様!?」
フラついた俺を支えようとリーナさんが駆け寄ってくる。
「……すいません、大丈夫です」
俺は駆け寄ってくるリーナさんに手をかざして止めた。
その行動でリーナさんがその場で止まる。
「……俺は大丈夫です。それにあまり大きな声を出すと、お嬢様が起きてしまいます」
俺がそう言うと、リーナさんはハッと口を押さえてシャロウネを見た。
シャロウネは相変わらず俺の手を握ったまま眠っている。
起きる気配のないシャロウネに、リーナさんはホッと息を吐いた。
「ディラント様ももうお休みください。まだ体調が戻られていないのでしょう」
そう言うリーナさんにベッドに寝かせられて布団を掛けられる。
リーナさんは眠っているシャロウネにも毛布を掛けていた。
俺はその様子を眺めていた。
「シャロウネお嬢様もずっと心配されていたのですよ」
俺が見てることに気付いたリーナさんがそう言う。
「……お嬢様が?」
「ディラント様が目を覚ましたときに寂しくないように傍に居ると言って」
そう言ってリーナさんはクスクスと笑う。
………俺は、こんな子供にまで気を使わせてしまったのか。
「……もっとしっかりしなきゃいけませんね」
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