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第40話 ∥
結局、部屋までアランにお姫様抱っこっで運ばれた。
その間、アランはニコニコしていて楽しそうだった。
「ディー!?どうされたのですか!?」
部屋に入ると、何故か居るシャロウネが駆け寄ってきた。
「心配要りませんよ。ディラント様は少し頑張り過ぎただけですから」
アランがそうシャロウネに説明する。
俺は抱えられてることをシャロウネに見られて恥ずかしくてそれどころじゃ無かった。
「アランさん、早く下ろしてください」
俺がそう言うと、アランはクスクスと笑う。
アランは俺をソファに下ろすと『何かあったらまたお呼びください』と言って部屋を出ていった。
「ディー、大丈夫ですか?」
そう言ってシャロウネが隣に来る。
「大丈夫ですよ。ダンスの特訓で動きすぎただけですから」
『休めば戻ります』と言うと、シャロウネはホッとしていた。
この2年で大分ディライトの体には慣れた。
でもやっぱり9歳の体はひ弱だ。
ディライトになってからも武術の稽古は欠かさずしてきたにも関わらず、あまり筋力が付かない。
多分、この体は筋力が付きにくい体質なんだろう。
前の感覚で動いていると、体力不足で動けなくなってしまう。
いい加減、ディライトの体力を把握しなきゃな。
そう思って、俺はソファに凭れ掛かって息を吐いた。
「ディー、頑張るのは良いですけど、何事もほどほどにですよ」
そう言ってシャロウネに指を突き付けられる。
そんなシャロウネに、俺は思わず笑ってしまった。
「分かりました、気を付けます」
そう言うと、シャロウネは腰に手を当てて『よろしい』と言って胸を張った。
その後はシャロウネが呼んだリーナさんによって淹れられたお茶でティータイムになった。
「ディー、ダンスの方はいかがでしたか?」
「簡単そうに見えて難しいです。姿勢保持とかステップとか、気にすることが多くて」
そう言ってため息をつくと、シャロウネはクスクス笑う。
「まだ始めたばかりです、これからですわ。それにディーは運動神経は良いのですから、すぐに踊れるようになりますわ」
「……頑張ります」
少し項垂れ気味に言うと、シャロウネは更に笑った。
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