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第41話 ∥
その後は本当に多忙だった。
ダンスのレッスンはもちろん、パーティーの衣装合わせ、エスコートの作法などやることが一杯だった。
この世界の衣装はフルオーダーメイド。
その都度採寸をして新たに仕立てる。
俺も初めて採寸を受けた。
採寸の際、お針子さんに痩せ過ぎだと言われた。
まだシャロウネより一回りも小さいし、食事も大分食べれるようになったけど、それでもまだ通常の子供の量の半分。
これでも成長したと思ってたんだけどな。
こうして数字に出ると、ちょっと凹む。
そんなこんなで、半年はあっという間に過ぎていった。
パーティー当日。
支度を終えた俺と伯爵様が玄関ホールでシャロウネが来るのを待っていた。
「ディー、大丈夫かい?」
伯爵様がそう聞いてくる。
「………大丈夫です」
そう答えるも、俺の心臓は緊張でばくばくしていた。
初めてのエスコート、初めてのダンス、初めてのグロウ家以外の貴族。
初めて尽くしのパーティーに、俺は緊張MAXだった。
ダンスは何とか形になったし、マナーや立ち振舞いも先生が合格ラインには達していると言ってくれた。
あとは余計な事をしなければ大丈夫。
そう自分に言い聞かせた。
そんな事を考えていると、支度を終えたシャロウネがリーナさんと共にやって来た。
そのシャロウネに俺は目を奪われた。
シャロウネは薄いピンクのドレスを着ていた。
そのドレスは裾に掛けてグラデーションになっていて、裾のピンクが鮮やかだ。
そこに刺繍やスパンコールが使われていて、動く度にキラキラとしていた。
髪もサイドアップにされていて、ドレスと一緒のピンクの花で飾られている。
そんなシャロウネは少女ながらに『美しい』という言葉が合っていた。
「ディー、いかがですか?」
そう言ってシャロウネが俺の前でクルッと回った。
「とても似合ってますよ」
俺がそう言うと、シャロウネはふわっと笑った。
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