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第49話 ∥

伯爵様に登城を言い渡されてから5日、王宮から登城命令が届いた。 ………やっぱり行かなきゃいけないのか。 その書類を見た俺はため息をついた。 「あまり気が進まないみたいだね」 そんな俺を見て、伯爵様が苦笑を洩らす。 「大丈夫です」 そう言って笑い返すと、伯爵様に『すまない』と謝られた。 登城するのは明日。 俺は王様への謁見のマナーと明日着ていく衣装合わせでバタバタした。 翌日、俺は伯爵様と一緒に王宮に向かうため馬車に乗り込んだ。 今回は呼ばれたのが俺だけなので、シャロウネは留守番だ。 一緒に行けないことにかなり不貞腐れてた。 シャロウネにはお土産を買ってくるという事で漸く納得してくれた。 馬車はパーティーで王宮に行った時と同じ道を走る。 俺は窓の外をずっと眺めていた。 馬車でしばらく走ると王宮が見えてくる。 国王様に会うのは構わない。 でももしかしたらリオネスも一緒に居るかもしれない。 俺はそれが不安だった。 王宮に着くと、従者が馬車の扉を開ける。 伯爵様が馬車を降りて、俺もそれに続いた。 王宮内に入ると、侍従が待っていた。 その人に案内されのは、明らかに謁見の間とは違う部屋だった。 『こちらでお待ち下さい』と言って侍従は出ていってしまった。 謁見する場所ってもっと豪華な場所だと思ってた。 この部屋も豪華ではあるけど、グロウ家の邸の部屋と大差ないくらいの豪華さだった。 「……父様、ここで国王様に会うんですか?」 そう聞くと、伯爵様も首を傾げる。 「私も公衆の場での謁見になると思ってたんだけどね」 伯爵様の話ではここは談話室で、国王様がプライベートや秘密裏な話をする場所らしい。 やっぱり何かあるのかな? そう思っているとカチャと扉が開いて、俺は思わず体が揺れた。

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