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第125話 ∥
ふと目を開けると、ベッドに寝かされていることに気付く。
俺は体を起こすと、何で自分がベッドで寝てたのか分からなくて首を傾げた。
「ディー、起きたようだね」
扉の方からそう声がして、見ると伯爵様が立っていた。
「……父様」
状況が解らず、すがるように見ている俺を見て伯爵様がクスッと笑う。
「ディーは魔力切れで寝ていたんだよ」
「魔力切れ?」
俺の頭にまたハテナマークが浮かぶ。
「アランとラジールを止めようとして風魔法を使っただろう?その魔法で魔力切れを起こしたんだよ」
そう言われて、俺は漸く納得した。
あの時、アランとラジールは本気で剣を交えていた。
体勢を崩したアランに、ラジールは本気で剣を振り下ろした。
咄嗟だったとはいえ、俺は二人を止めるのに魔法を全力で使って魔力切れを起こして倒れた。
こんなことで倒れるなんて情けないと思って、俺は小さくため息をついた。
その時ふと、
「父様、アランとラジールは?」
俺は二人が居ない事に気付く。
あの二人なら、とくにラジールは傍に居てくれそうなのに。
そう聞くと、伯爵様は困ったように笑った。
「あの二人はディーに会わせる顔がないと言って部屋に籠ってしまったんだよ」
二人とも部屋に籠って、声を掛けても返事もしないらしい。
それを聞いて、俺はまた小さくため息をついた。
「今、二人は何処に居ますか?」
「従者用の階の奥の部屋だね」
「分かりました、ちょっと行ってきます」
そう言ってベッドから出ると、俺は従者用の階に向かった。
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