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第138話 ∥

次の日から講師による試験の勉強が始まった。 学院のクラス分けの試験には座学と実技がある。 その両方の総合得点でクラスが分けられる。 座学は国の歴史と算術。 実技は武術と魔法と礼儀作法。 令嬢は武術を習わないから武術は免除される。 まずは座学から始める事になった。 試験対策として、講師が作った問題を解いていくことになった。 俺は渡された問題集をパラパラと捲って確認した。 ……これは、結構簡単だな。 一通り見た結果、殆どが本で読んだことのある内容だった。 問題を全て解き終えるとチラッとシャロウネに視線を向けた。 シャロウネは真剣に問題に向かっていた。 なんか、試験に対してすごい意気込んでたけど…… シャロウネからは鬼気迫るものを感じた。 シャロウネは元々優秀で、そこまで意気込んで試験対策をする必要はない。 少し復習する程度で上位に入れるだろう。 なのに昨日もそうだったけど、やたらと気合いが入ってる。 頑張るのは良いけど、頑張り過ぎは良くない。 試験までの三ヶ月、無理しなきゃ良いけど…… そんな俺も試験に向けて心配な事があった。 座学は大丈夫だとして、実技試験の魔法と剣術が気がかりだった。 魔法はあれからずいぶん練習したけど、やっぱり魔力が弱いみたいで強力な魔法は使えなかった。 魔法の組み合わせで何とか目眩まし程度に出来るぐらいだ。 剣術も対人で当てられないのは直らなかった。 剣術はフラルさんたちにまた指導をお願いするとして、三ヶ月でなんとかなるのかな?

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